【感想・ネタバレ】壊れた脳と生きる ――高次脳機能障害「名もなき苦しみ」の理解と支援のレビュー

あらすじ

41歳で脳梗塞を発症し、高次脳機能障害が残った大介さん。何に不自由なのか見えにくい障害は、援助職さんにも十分に理解されていない。どうしたら当事者さんの苦しみを受け止め、前に進む支援ができるのか。専門医であるきょう子先生と、とことん考え抜きます。

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Posted by ブクログ

手にとる前は、親子なのかと思ったが、違った。患者と主治医なのかと思ったが、これも違った。
鈴木大介氏はルポライター、41歳で脳梗塞を発症、高次脳機能障害をもつ。鈴木匡子氏は高次脳機能障害の専門医。ふたりの対談で構成されている。
病巣は右半球、頭頂葉と前頭葉にかけての一帯。顕在化した障害は、作業記憶の低下、注意障害、談話障害、感情障害など。なんといっても本書の読みどころは、当事者のなまの声、いわく言い難い、どうにも表現しようのない、もどかしい障害の状態が表現されている点。しかも、言おうとしていたことがすぐに霧散してゆく。
医者も、研究者も、リハビリのスタッフも、ふつうは概念や外から見た病態から入ってゆく。それゆえ、本書のように内から見た病態の詳細は貴重。とくに当事者の身になって考える上では重要。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

高次脳機能障害当事者でなくとも、精神障害や発達障害当事者なら心当たりのあるような生きづらさ・苦しさの言語化が巧みにされている。問題解決の糸口になるようなノウハウが紹介されているわけではないが、苦しさを伝えられずにもどかしい思いをしている方にとっては得られるものもあるかと。当事者よりも当事者の家族や支援者に読んでいただきたい一冊。

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2025年07月29日

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