あらすじ
テンカイチ第一回戦第四仕合“剣聖”上泉伊勢守信綱と“力の現人神”日野長光の、神話と呼ばれる戦いは遂に幕引きを迎えた。
明智光秀が手を引く陰謀の中、第五仕合で戦うのは、本多忠勝の志を継ぎ伊賀最高の忍の血を継ぐ“隠れぬ忍”服部半蔵と、“武の天才”鐘捲自斎の剣技の最高傑作であり、面妖なる“殺人人形”佐々木小次郎!!
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Posted by ブクログ
これは……恐らく多くの読者が予想を外されたのではないか。完全に予想外の結末。どちらが勝つかの予想が的中した人でも、この決まり手は誰も予測していないのでは?そのくらいびっくりする決着だったし、そこへ向かう描き方が上手かった。序盤で服部半蔵はウソが武器と嘯いていたけど、読者も完全に騙されたのでは?
そして、この戦いが決着する中で物語そのものを複雑でわくわくする物に変える布石があり、トーナメントバトルも五仕合目ともなると必ず感じるマンネリ感を完璧に吹き飛ばしてくれた上にこれから先のストーリー(個々のバトルではなくストーリー)がさらに楽しみになった。
滝川一益と言えば戦国末期から江戸時代を舞台とした作品に登場することこそ多いものの、だいたいモブに毛が生えた程度なんだけど、この作品の滝川一益は一味違う。確かな爪痕を残した感じだし、自分の哲学を持ったキレもののようでかなり珍しい描かれ方なのでは。
もちろんあやしい動きを見せる明智光秀からも目が離せない!
この第五仕合の登場人物は勝者も敗者も、武芸者も引率大名も全て重要で魅力的なキャラだった。
あと主人公?の宮本武蔵、作品が始まった当初はなんかだるそうでやる気がないキャラだったのにいつの間にか随分と熱い主人公らしい漢になりましたね!!!
次巻は示現流開祖の東郷重位vs弥助……いや全く予想がつかん!!!
えっ、そっちが勝つの?
この漫画は予想(期待)していた方とは別の方が勝つ。よく言えば意外な展開、悪く言えば期待が外れる。
こういう展開は、本巻の服部VS小次郎戦だけでなく、伊勢守VS日野戦でもそうだった。てっきり伊勢守の方が勝って、次の柳生VS伊勢守で少なからぬ因縁のある両者(柳生宗矩の父・石舟斎は伊勢守の弟子である)が雌雄を決するのだと思っていたが、実際には日野の方が勝ってしまった。
なんというか、全体的に期待とは違った展開に話が進む。