あらすじ
地球は何枚もの「プレート」で覆われており、それらが地球表面を動き続けていることが知られています。日本列島はそのプレートが4つも集まったところに位置しているため、小さな国土ながらもじつに変化に富んだ地形が見られるのです。凸は3000m級の山脈から人の住む山地、火山があり、凹は谷、川、湖沼があります。さらに空から眺めてみると、海と陸の境目には様々に入り組んだ海岸線が見られます。日本列島はタテにもヨコにも「でこぼこ」だらけといえるのです。本書では、高い空から眺めることから始まり、山々、火山、水、海岸線と、それらがどのようにしてつくられてきたのか、地学全般の知識を駆使して「風景を読む」ことを目指します。
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Posted by ブクログ
日本の地形は興味深い。自然が作り出した芸術と言ってもいい。地理環境学の専門家が風景写真を多数使用して説明している。
日本列島周辺は、あのヒマラヤ山脈を上回る起伏の大きさだった。日本列島周辺で一番低い地点は、東京から250キロメートル南の伊豆・小笠原海溝と相模トラフの出会うあたりだ。そこは三重会合点と呼ばれている。
その水深は9000メートルにも及び、この一体は坂東深海盆と呼ばれている。富士山頂から坂東深海盆の標高差は、13000メートルを超えている。あのエベレストは内陸にあるので、標高差は最大でも約8850メートル以下になる。
深海から測れば、標高差が大きくなるからなあ。これで分かった。
「山また山の日本の風景」と著者が述べているように、日本の景色の特徴の1つが山だ。関東平野の風景を写した写真がある。千葉県北西端にある関宿町で見ることができる、利根川と江戸川の分岐あたりの写真だ。
そこから広がる景色に、筑波山、男体山、足尾山地が見える。日本の風景から山を完全に除外することが難しいと述べている。
砂丘といえば、ラクダが印象的な鳥取砂丘が浮かんでくる。しかし、静岡県には中田島砂丘(南遠大砂丘)がある。浜松市の遠州灘にあり、海に近づいているのにも関わらず、海が見えない体験を子供の頃にしたと著者は述べている。
そのようになるには、砂丘の特徴にあった。規模が大きくなるほど、海が遠くなる。
地形を切り口にした日本列島の姿は、色々興味深いなあ。本を読んでいくと知らないことがあり、知的好奇心がわいてくる。