【感想・ネタバレ】コンピューティング史 人間は情報をいかに取り扱ってきたかのレビュー

あらすじ

原著(第3版)の4人の著者たちはいずれも、コンピューティング史を世界的にリードする研究者であり、本書は1996年に出版された初版以来、米国の大学における授業(コンピュータの歴史、インターネットの歴史、メディア史など)では定番の入門教科書となっている。

日本では1999年に出版された初版の翻訳以来、およそ20年ぶりの第3版(新訳)となる。本邦訳には、訳者による解題と日本語文献リストを追加した。コンピューティング史に関心のある読者には必読の一冊である。

〔原著〕Computer: A History of the Information Machine,3rd Edition, Westview Press,2013.

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

サイエンスとエンジニアリングの交差点から始まったイノベーションは、いつしかその力点をビジネスへと転換していったーーそんなコンピューティングの歴史を、冷静かつフラットな視点で綴った名著。

本文356ページの中で、初めて「コンパイラ」そして「FORTRAN」が登場したのは194ページ目。現代のソフトウェアエンジニアに馴染みのあるコンパイラ、そして現代から見ると「そんな言語あったんですね」とすら言われるFORTRANでさえ中盤移行の登場である、という事実からも本書の(意味的な)分厚さがわかるだろう。

バベッジ、エイダ、チューリング、ノイマン、エンゲルバート、アラン=ケイ…コンピューティングの歴史を綴った類書に顔を出す傑物は、もちろん漏らさず登場してくる。
網羅的に歴史をたどるという性質上、この分野についてある程度詳しい人間であれば既知の内容が多くなってしまうのは宿命的なものだ。

しかしそれでも、本書は一読の価値がある。

イノベーションにフォーカスしたある種のヒロイズムではなく、本当に淡々と歴史を綴っているという点。その特色ゆえ、イノベーターの席に並べられることはなかったけれども確かにコンピューティングの歴史の1ページであったスタートアップの動きなどが描かれているのだ。
成功談だけではなく、失敗談も多く書かれている。(いや、もしかしたら失敗談のほうが多いのかもしれない)

加速度的に進化するコンピューティング、呼応するように変化する市井の生活…この目まぐるしい奔流を原点から辿る旅に出る、格好のガイドブックだ。

0
2021年08月20日

Posted by ブクログ

コンピュータの歴史について広範囲を網羅した本で,少数ながら参考文献の記載あり,どちらかといえば専門書に属するレベル。

0
2023年01月11日

「IT・コンピュータ」ランキング