【感想・ネタバレ】見えないものを探す旅――旅と能と古典のレビュー

あらすじ

いつもの風景が、その姿を変える

単なる偶然、でも、それは意味ある偶然かもしれない。
世界各地へ出かけ、また漱石『夢十夜』や三島『豊饒の海』、芭蕉など文学の世界を逍遥し、死者と生者が交わる地平、場所に隠された意味を探し求める。

能楽師・安田登が時空を超える精神の旅へといざなう。


私たちには、「見えないもの」を見る力が備わっています。
「目」を使わないでものを見る力です。(まえがきより)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

能を観たくなった
むしょうに歩きたくなった
漂泊の旅人であるシテに共感

P.161
能の物語の多くは、漂白の旅人が異界と出会うというパターンを持つ。ふつうの人には出会えない異界も、漂白の旅人だけは出会うことができる。そして、漂白の旅人は異界と出会うことによって、新たな生を生き直すことができるのである。能を観るということは、その地平に観客も巻き込まれるということだ。それによって、能を観終わったあと、心身ともに新たな自分に変化して、新たな生の可能性を感じることができるのではないだろうか。

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2023年04月14日

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