あらすじ
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。 終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!
「あさイチ」(NHK)紹介で大反響!共感の嵐!
みんなそれぞれ違っていても大丈夫と思え、気持ちが楽になりました!(20代女性)
いいですね、結末が。主人公の日常を大切に歩む姿勢が好きです。(30代女性)
こんなに色々な立場から入れるにはなかなか出会えません。
読み終えて、なんだかすっきりしました。(40代女性)
世の中の男性がもっと読むべき本だと思う。私は読めてよかった!(50代男性)
巻末特別収録☆彡スピンオフショートストーリー
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
礼子の子供2人が立て続けに水疱瘡にかかり、
詩穂に子供の世話を2度も頼むシーン。
職場と育児の狭間で激しく葛藤する心情が
痛いほど伝わってきて読むのが苦しかった。
詩穂が礼子の子供の世話を引き受ける度、
礼子は"よかった。これでイマイに仕事を
押し付けなくて済む"と考えるのだけれど、
イマイに押し付けずに済んだだけで
結局詩穂に押し付けてるじゃん…てなった。
まだ詩穂のことを専業主婦だからと結局見下しているが故の言動で、最低だけど妙にリアルだなあと思った。
ワーママは、育児という不可抗力の中で
あと少しでゲームオーバーになるかならないか
というギリギリの状態で
なんとか毎日生きているんだというのが
すごくリアルに描かれている。
あるいは、とっくにゲームオーバーなんだけど
それを認めず(状況的に認められず)、
自分の余裕や気持ちに蓋をしてなんとか生き延びている感じがした。
Posted by ブクログ
母が専業主婦なので母におすすめしたくて読んでみた。母が主婦、とかそういう共通点がないとそこまで刺さらないかな?なんて思っていたけど大間違い。
主婦になったことのない私でも、専業主婦じゃない人も、ワーキングマザーも、みんなに刺さる本だった。
「私定時で帰ります」が好きで他の本も読んでみようと思ったことがきっかけだったけれど、手にとって良かった。自分が母になった時また見返したいと思える一冊。
Posted by ブクログ
母を亡くし、残された父と娘は2人で助け合って生活し強い絆で結ばれて、娘が嫁ぐ時に美談となる話が多いと思ったけれど実際は詩穂ちゃんケースも少なくない気がした。中学生というのが不幸だったような気もする。家事はやれない歳ではない。そして詩穂ちゃんは器用にこなしていったんだと思う。そして家事が嫌いではないから結婚した後も専業主婦として頑張っている。そんな絶滅危惧種でもある専業主婦の詩穂さんもパパ友中谷さんや礼子さん、坂上さんとの出会いは色んな意味で刺激はあっただろう。父親は後悔しても遅かった。出産後に少しはマシになったかと思ったけれど変わってはいなかったようだ。ここでも父親はチャンスを逃したのだ。詩穂ちゃんは、ほぼ母親に育てられたということだろう。それでも父親には変わりないのだからどうにか和解して欲しいけれど父親の改心がないと難しいだろうな。
文庫版で追加された虎朗のサイドストーリーのおかげてスッキリ読みおえられた。詩穂と虎朗はその後も幸せな家族となっていると思いたい。