あらすじ
数多くの読書法を執筆してきた佐藤優による読書術の決定版。古典の名作から最新の電子書籍まで、「本当の教養を身につけるためには、どんな本をどのように読めばよいのか」という疑問に答え、実践的に解説する。ここで言う「教養」とは、私たちが生きているこの時代のあり方を俯瞰して見る、「視座」「枠組み」を提示してくれる「知」のこと。単に最新の国際情勢や経済事情、あるいは成功法などを紹介している本ではなく、いくら時代が変わっても通用する「思想」や「考え方」といった知のフレームワークを与えてくれる本を選び、その読み方とともに「終わらない世界大戦」「近代とは何か?」「新・帝国主義時代」「権力の本質とは」などをわかりやすく講義する。「知のツール」としての電子書籍・インターネットの活用法から最新の英語勉強法、書店・書評の活用法まで、まさに「知の巨人」佐藤優の面目躍如たる最新の読書術。
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Posted by ブクログ
寝る前のフォトリーディング&起床後の高速リーディング。とても面白い。
近代が教会と国家を分離して始まり、民族自決から民主主義という宗教を経て、再びいま帝国主義が蘇っていると著者は指摘。なかなか深い考察で、単なる読書術の本ではなさそう。
また電子書籍の使い方についてはとても参考になる。でもその未来については私の考えとちょっと違い、電子書籍はそれほど普及しなさそうだと考えているようだ。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
12-15:多くの本が(古典新刊どちらも)まだ電子書籍化していない。故に日本の電子書籍時代はまだ先。しかし電子書籍の利点を挙げると・・・:
1.電子書籍専用リーダーで本を大量に運べ、しかもネット断ちして読書ができる。
2.再読・流し読みに向いている。ちょっとの空き時間で気になる本を出して読める。
3.語学学習に向いている。
15:重要になってくるのは広い知識ではなく、深い知識。
44:ドイツの神学者トレルチが近代の初めと定義するのは1648年のウエストファリア条約。この条約は30年戦争(1618~、中世最大の犠牲者を出した戦争。宗教戦争。神聖ローマvsブルボン王朝・新教vs旧教。)の講和条約。
この時代より国家と教会が分離した。民族自決の初め。
104-105:電子書籍専用端末は自発光しないので目に比較的やさしい。感覚も神の本に近いので頭に入りやすい。
111:電子書籍は神の本より流し読みをしやすい。二冊目の購入に向いている。
118:質の高い本を深く、また繰り返し読めるのは、これからの教養人にとって電子書籍はアドバンテージになる。
132:高校の日本史や世界史の教科書を通読の後、「岩波講座 日本通史」や「岩波講座 世界史」を読む。こうした読書が基礎を強化する。
147:英文法はセンター試験の過去問で鍛える。その基礎が整ってから語彙を増やし、原本を読む。
154:これだけ玉石混交の出版物の中で、目を養うためには先ず古典を読むこと。
159-160:本は身銭を切って手元に置くべし。