あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
ここ最近、日本企業の間でも「OKR」の注目度が上がり、導入した企業の話もよく聞くようになりました。
そもそもは「Objective and Key Results」の略で、企業や組織における人材マネジメントの手法です。米国の 企業、インテルで生み出され、その後、グーグルやフェイスブックが採用し、大きな成果を上げたことで有名になりました。OKRと、3つのアルファベットが並びますが、その要素は「Objective」と「Key Results」の2つ。企業全体、企業の部門、個人といった企業の階層ごとに「目標=」を設定し、さらにその目標を実現できたことを示す、より具体的な「成果=」を複数(通常、2つから3つほど)決めます。これが、基本的な考え方です。
グーグルの人事責任者であったとき、そしてプロノイア・グループの代表である現在も、OKRの導入・運用に携わっていた一人として、現在、日本でOKRに注目が集まっていることを大変うれしく思います。OKRはきちんと運用すれば、社員の意識を変え、組織をドライブさせる上で有用なツールだからです。
…………
本来、仕事はその成果によって評価されるべきです。すなわち、個々人の仕事に応じて、目標を設定し、その成果を定量的に評価するわけです。しかし多くの日本企業では、それができていません。 そのため、朝に机に着いていることを見張るのが、マネージャーの仕事になっているのです。
誰もが横並びで、目の前のルーティンワークだけ片付ければいいのであれば、画一的に時間で管理するのも有効かもしれません。しかし今や、それで生き残れる企業はほとんどありません。
ルーティーンワークだけ回せば稼げる時代は終わった結果、日本企業は、過去の成功体験に縛られることなく、これまでと違うこと、誰もやっていないことにチャレンジしなくてはならなくなっています。そのためには、「時間ではなく成果で人を管理する」「組織の命令一本槍でなく、個人のアイディアや独自性を尊重する」など、人材マネジメントのやり方自体を変えなくてはなりません。それが今、多くの日本企業が抱える課題だと思います。
そして、その課題を解決する上で有効なのが、OKRなのです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
OKRについて導入企業の例も含めて解説してある本。
OKRの理解において重要なことは以下の通り。
1. 「O」に必要な要素は4つ
- 具体性(誰が見ても、何に取り組むのかがわかる)
- 測定可能(誰が見ても、どのように達成状況を判断するのかがわかる)
- 達成可能(誰が見ても、どのように取り組むのかがわかる)
- 期限(誰が見ても、いつまでに取り組むのかがわかる)
2. 「O」には「ルーフショット」より「ムーンショット」を重視する
3. 「O」と「KR」の関係
- 「O」に何を実現する、どういう成果を出す、どこに向かうを設定する
- 達成する状態を指標(具体的な数字)で示す
4. KPIとOKRの最大の違いは目標達成度の困難度であり、OKRは達成度70%が理想である一方、KPIは達成度100%が理想である。
Posted by ブクログ
OKRが事例ごとに分かりやすく説明されていた。
OKRは方法論として固まっているわけではなく、考え方だけがあって、あとは自由!という感じなのかよく分かった。
そうなると、いろんなやり方があり得るはずで、それらすべてが”OKR”であってグーグル方式、となるのはちょっと違うんだろうな。(あ、でも、グーグルが作ったわけではなく、インテルから生み出されたものなんですね。)
考えてみれば、自然に似たようなことは自分でやっていたような気もする。一人OKR。
一人OKRではなく組織で取り入れるということは、つまりは、トップがコミットして、ビジョンを共有していく、ということなんだろうな。
Posted by ブクログ
以前勤務していた会社でOKRが導入された際に読んだ。当時の実務とOKRの相性が合っていないと感じており、この本を読んで改めてそう思った。この制度で全員を公平に評価することは難しそうだと感じた。
Posted by ブクログ
OKRについて、とても分かりやすく記載されていました。
ちょっと気になるなと思っている人にはお勧めです。
これを読んで、いかに組織にフィットした形で実施するか、また自組織にあった形での導入が必須、逆に言えば、OKRでなくても同じエッセンスがあるのであれば、それを上手く利用することが大事だな思いました。
Posted by ブクログ
OKRの考え方、目指すコンセプト、特にKPIマネジメントとの違いについて確認。ミッション実現に向けてみんなが同じ方向を向くための、ovject(目的)と具体的な状態(目標)であり、計画達成のための進捗管理ではない、ということが最大の違い。
Posted by ブクログ
なぜ使う: 組織に一体感を持たせる
どう使う: ムーンショットゴールを設定
KPIとの目的の違い: トップダウンで目標達成状況の管理orボトムダウンで組織の方向と一致した社員独自のアクションを促す
Posted by ブクログ
従来のKPIやMBOといった人材マネジメント手法とは異なる新しい手法として認識されているOKR。ちょっと興味があったので手に取ってみました。
人材マネジメント手法というよりは、組織のミッションと個人の目標をすり合わせるためのコミュニケーション・ツールという印象でした。
O(Objective)で定性的な目標を掲げ、それを実現するためのKR(Key Resource)で定量的な指標を設定するというシンプルな構成。
1 on 1 をはじめとした定期的な振り返りでKRを見直すことで柔軟な運用が可能なのも組織を活性化につながりそうです。