あらすじ
●第1章 ロジック篇
【助詞の使い方】「ゲゲゲの鬼太郎」「無能の人」「僕が泣く」
【韻とリズム】「ヤング島耕作」「勝訴ストリップ」「噂の刑事トミーとマツ」
【言葉と言葉の距離(二物衝撃)】「天才えりちゃん金魚を食べた」「部屋とYシャツと私」
【題名自体が物語である】「脳手術の失敗」「お勢登場」「海へ出るつもりじゃなかった」
【濁音と意味不明な単語】「しだらでん」「少年アシベ」「ディグダグ」
【アルファベット混じりの題名】「D坂の殺人事件」「M色のS景」
【古めかしい言い方で】「ツァラトストラかく語りき」「されど孤にあらず」
【命令してみる】「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」「メシ喰うな」
【パロディの題名】「長めのいい部屋」「百年の誤読」
【関係性をいわない】「隠し砦の三悪人」「11人いる!」
●第2章 マインド篇
【先入観から逸脱する】「淋しいのはお前だけじゃな」「サーキットの娘」
【日本語+カタカナの題名】「少年ケニヤ」「三人ガリデブ」
【いいかけでやめてみる】「光ってみえるもの、あれは」「飼い犬が手を噛むので」
【いいきってしまう】「これからはあるくのだ」「幸せではないが、もういい」
【長い題名】「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」
【題名同士が会話する】「今夜わかる」シリーズ「買ってみた。」「それが本当なら」
【洒落の題名】「屁で空中ウクライナ」「ザ・先生ション!」
【人気歌人に学ぶ】「どうして長嶋有さんは枡野浩一なんかとつきあってるの?」「日本ゴロン」「世界音痴」「にょっ記」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
題名フェチ、言葉フェチ、あと題名をつけなきゃいけない必要のある方におすすめ♪
筆者のブルボン小林氏とは、小説家長嶋有氏のサブカルコラム用ペンネーム。彼の発想力と言葉のセンスが好きなので読んでみた。
本の題名とは、表紙と共に本の「顔」である。
特に本屋の本棚に陳列されている間は背表紙しか見えない。
題名と著者名、それだけで手塩にかけた「我が子」を手に取ってもらわなければならない。
そのために作家及び編集者はいろいろ工夫している。
なにしろ本の売れ行きに関わるのだ。
そんな「商品の題名」を「これはどういう意図をもってつけられたか」「どういうイメージをあたえるか」を鋭い洞察力を生かして推察。たまにつっこみながら楽しく紹介している。
例えば助詞の使い方に注目した『ゲゲゲの鬼太郎』
韻とリズムがもたらす快感を考えた『島耕作シリーズ』
読む前と読んだ後の題名の捉え方が180度違う『これからはあるくのだ』
へー、そんな角度から?と驚く。
軽く読める知的(オタク的)読み物としても、題名に悩む人のための実用書としても読める。
本以外の映画や音楽も取り上げられていて、最近の洋画の邦題はセンスないよな、という話に同感。
Posted by ブクログ
その名の通り題名について語った本。作られ方別になっていてなるほどなと思う。好きなタイトルはこのタイプかとか。ささっと読める割におもしろかった。
Posted by ブクログ
本や映画など、そのタイトルでグッと来る、印象に残るものを取り上げ、それがなぜ心を惹きつけるのか?を分析するエッセイ。ただ、あくまでもブルボン流分籍。論理的というよりも、ちょっとニヤリとなる解き明かし。
Posted by ブクログ
ブルボン名義の本は初めて読むかも。
ネタが主体の本かと思ったら、ちゃんと実用的な話でした。
読んでみるとなるほどーと思うことがいっぱい。
この「なるほど」と思わせるために、
どんな視点を挙げていくか、例として出す本や映画や楽曲はどれにするか、
そこの選択が難しいんだろうなあ。
硬軟とりまぜた広い知識・見識がないと説得できない。
Posted by ブクログ
スター・ウォーズ・エピソード6の原題は当初revenge だったように記憶している。邦題はそれにならって「復讐」と付けらけたのだが、公開時にはreturnに変更されていたのではなかったか。そこだけ気になった。
Posted by ブクログ
題名は私にはかなり重要なポイントで、特に小説や映画のタイトルというのは、それだけで購買力や観たいという欲求をプラスアルファする魔の手のようなものである。そこに目をつけた本書のタイトルに「ぐっと」きました。
以前、「テレビくん、どうも」という番組で、作家の長部日出雄さんが「松本清張の小説はタイトルが巧い。物語の内容に私は負けないが、タイトルの付け方に歴然とした差がある」という発言をされたのを思い出した。
Posted by ブクログ
文庫化して改めて買いました。
「増補版」、と書いてあるのが魅力で。
題名には正直、あまり関心がありませんでした。
好きな作家の本なら、題名関係なく買ってしまうし。
でも確かに、本屋に行ってフラフラと本を眺めてる時、ぐっとくる題名だとついつい手に取ってしまうかも。
そこでまた、読書の幅が広がったりするから、題名ってやっぱり重要。
個人的に「残りのマークだのパンサーだの」がツボでした。