あらすじ
あるデータによると、中学生の約5割が教科書の内容を読み取れないということだが、著者の周りでも困った学生が増えている。
まず、心理検査やアンケート調査が正確に行えない。質問文の意味がわからないのだ。「内向的って何ですか?」「引っ込み思案って何ですか?」という質問が普通に出てくる。学生たちと話すと、「そんな言葉は日常会話やSNSでは使わないから」ということだそうだ。
読書時間ゼロの学生がいまや50%を超えた。半分の学生は本当にまったく本を読まない。一方で、文科省はアクティブ・ラーニングの方向に舵を切り、プレゼン、対話型の授業を増やしている。ただ、対話と言ってもお互い何も話さずじっとしていたり、プレゼンも自分の持ち時間を使い切れずに終わるなど、悲しい事例がそこかしこにあるようだ。
人間は言葉でものを考えるわけだから、言葉を自分の中に取り込むきっかけとなる読書をしないのは、思考力を身につけるという点においては大きなハンディだ。脳科学の研究データからも、読書習慣は神経繊維の発達や言語性知能の向上と関係していることがわかっている。
本書は、伝えたいことがうまく伝えれない、その原因として、読書量の危機的な減少をあげ、子ども時代にしておくべきことについて語る。
また、読書によって身につく意外な効用についても解説。語彙力や読解力だけでない能力も獲得できる。いま親としてすべきことがわかる一冊。
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Posted by ブクログ
読書する人間しない人間とでは語彙力、読解力の差が出てくる。LINEとか友達の会話ではそれ以上発達しない。
また、勉強時間を増やしても、ゲーム、ネット時間がその時間を増していた場合、かえってあまり勉強しなかった人間と大差なくなる。例えば 30分勉強して、ネットしなかった人間は 65点のテスト成績、2時間勉強し、ネットを4時間近くやった場合、何と65点以下だった検証結果がでておる。実際、ネット使用時間は1時間を超えるとパフォーマンスが落ちるらしい。
また勉強や読書は親がどうのこうの言うより実際態度で示さねばならない。もしくは一緒にやる必要がある。