【感想・ネタバレ】T.V.eyeのレビュー

あらすじ

【少年たちに巣食う孤独な闇と一条の光】眼帯男のイサオは喧嘩と暴力に明け暮れる日々を、放置されたガレージで仲間たちと送っている。今日もまた行き場のない少年を拾ってきた。そして、少年を仲間に加えるための血の儀式が始まる…。若者たちが発する閃光のようなシリーズ集! 【同時収録】dog food/camera obscura/Ch-11

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前衛文学が好きな方にオススメです。あるいはゴダールの映画が好きな方。
三部の作品が収録されているのですが、閉鎖感、無機質、日常のやるせなさ、惰性、そんなものがどことなく非日常的な生活感なく描かれる登場人物(殺人を夢見る空箱のような部屋に住む少年や、同じ名の同じ顔の双子など・・・)
たちから伝わってきます。しかし、その先に行こうとする前向きな意思のようなものも感じられる。比喩的に言えば(特に後の二編は)何らかの(TVに象徴されるような)「ハコ」に閉じ込められた人々(人生飲む意味性という箱、他者と自分の境界の曖昧さという箱…)の脱出までを独特の乾いた視点で描いているという感じです。最後になりましたが、言うまでもなく絵が素晴らしい。本当に素敵な一冊です。

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2011年02月13日

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