あらすじ
一面を同じ色で彩り,一斉に散っていくソメイヨシノ.明治初めに見出されたこの桜は,凄まじい勢いで全国に拡がって行った.さまざまな語りが生み出される中で,どんな意味をあたえられてきたのか.語られた桜と現実の桜の往還関係を追いながら,そこから浮かび上がってくる「日本」の姿を,近代という時代とともに考える.
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Posted by ブクログ
桜は日本の美、と言い切る人のための本。
今、日本の各地で見る事ができる染井吉野という桜の一品種が作り出されたのは、江戸時代のこと。
染井吉野という花の特徴は、葉よりも先に花が咲いて、しかもその花が大きいために、一カ所に多数の木が植えられた状態で開花すると、とても見応えがあること。
それに、染井吉野の木は、同じ木から接ぎ木して創った個体、いわば同一人物ですので、開花時期が地方ごとに綺麗にそろう事も特徴である。
そのあたりを普段はあまり意識しないけれども、他の桜(例えば、山桜や紅枝垂桜、大島桜、寒緋桜など)とは大きく違う特徴であることの解説から始まり、桜について語る時に日本人が作りだしてきた想像の源泉を辿り、桜に託されて来た幻想がどのように構築されてきたかを丁寧に解説している。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
一面を同じ色で彩っては、一斉に散っていくソメイヨシノ。
近代の幕開けとともに日本の春を塗り替えていったこの人工的な桜は、どんな語りを生み出し、いかなる歴史を人々に読み込ませてきたのだろうか。
現実の桜と語られた桜の間の往還関係を追いながら、そこからうかび上がってくる「日本」の姿、「自然」の形に迫る。
[ 目次 ]
1ソメイヨシノ革命(「桜の春」今昔 想像の桜/現実のサクラ)
2 起源への旅(九段と染井 ソメイヨシノの森へ 桜の帝国 逆転する時間)
3 創られる桜・創られる「日本」(拡散する記号 自然と人工の環)
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