感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ 2023年05月23日
岸田さんの言葉は飾る事なくスルスルと心に入ってくる。
まさにチャーミングとユーモアのある方だな。と。
お父様を亡くされ、弟はダウン症、お母様は車椅子ユーザーで母方の祖母も”やばくなってきた”。
どれをとっても「大変ね」と言葉をかけられるであろう事なのに、岸田さんの作品の中では大変な中にもユーモ...続きを読むアがある、気づきがあり、感謝がある。
お母様の難しい手術が成功した際の
「奇跡は神様が起こすんじゃなくて、人が起こすんだ」の言葉。
本当にそうだ。
いつかのサンタは本当にいるのか?のyahoo知恵袋での回答じゃないけど、ひとつの「奇跡」には何人もの人が関わっているのだろうなと。
身の回りの人だけでなく、すれ違っただけの人、見ず知らずの人も私に起こるかもしれないなんらかの奇跡に関わっているかもしれない。
ってのは言い過ぎかもしれないけど、本当にそのくらい感謝の気持ちが生まれた。
ダウン症という”障害”について聞かれたときの
「わたしたちがスムーズに生きていくために都合がいい人を「健常者」、都合が悪い人を「障害者」と呼ぶのは、なんかずっと、ぎこちない違和感がある。」という一文も考えさせられる文だった。
その後に火星人が来た時に一番順応できるのは良太くんみたいな人たちだ。とも続いてる。
障がいのある方に私も少なからず「大変ね」という気持ちがある。でも相手からすると私の方が大変で生きづらそうだと思われているかもしれない。
たくさんの「もうあかんわ」のエピソードは本当にもうあかんわ!と叫びたくなるほどの重量級なのに、岸田さんのフィルターを通るとこれが悲劇、喜劇になる。
そして、私ももうあかんわ!がきても、また踏ん張れる気がする。
私は岸田さんのアロエリーナ。
今度私もどこかのアロエリーナに言いにくい事を言って、もうあかんわ!を喜劇に変えられたらいいな。
Posted by ブクログ 2023年08月20日
先日読んだ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」がとても良くて、以前この「もうあかんわ日記」の1日分が公開されていた頃に読んだことを思い出して手に取った。
相変わらずとても読みやすくて、ご本人も日記内で「(中略)構成とか全然考えてないし、どうかと思う愚痴ばっかだし」と言われているよ...続きを読むうに、本当にご本人の頭の中ではこんなふうに思考が展開、進んでいってるんだろうな、というのが文字を追うごとにわかるのでそれがとても心地よかった
私は基本的にネガティブなので、同じ状況だったら絶対に自分が参ってしまう…どうにかしばらくはランナーズハイ的なものでやりくりできるかもしれないけれど、いつかそのうち絶対ふと我に返って電池が切れてしまう
「もうあかんわ」は、わたしにとって、小さな死でした。
毎日、小さく死んできた。
悲劇は、意思をもって見つめれば、喜劇になることがある。
「あなたがふつうじゃないから、世界はこんなにすばらしい」
いつか「あなたがもうあかんと言えたから、世界はこんなにすばらしい」と、言えるようになりたい。あなたにも、わたしにも。
こんなふうに思えたら、私もいつか、笑って、「もうだめだ!」て言えるかもしれない