あらすじ
インド帝国はなぜ滅亡したのか? インドは「我が青春の一部」と語る著者が、東インド会社に屈した謎を描く――生き残る王子はたった一人。流血が王位継承の伝統であったムガル帝国に、東インド会社を尖兵としたイギリスの魔手が迫る。アヘン戦争、明治維新へと続く歴史の前哨戦として、300年を越えるムガル王朝滅亡のひき金をひいたのは誰か……。インドは「我が青春の一部」と語る著者が、熱き思いをこめて描く長編歴史小説。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「三国志」とついているので、古代インドの英雄の攻防か?と思って読んで見れば、比較的歴史の新しいムガル帝国の事を書いた本。ムガル帝国といえば、アクバル大帝やタージマハルを作ったシャー・ジャハーンが有名ですが、シャー・ジャハーンの帝国最盛期後、イギリスの植民地化されるまでが結構短期間なのが不思議だったのですが、本著はその疑問を埋めてくれます。
「三国」の三者はシャー・ジャハーンの次の皇帝アウラングゼーブ、マラーター族、東インド会社。イスラム至上のアウラングゼーブが帝国内にマラーター族のような敵をつくり、不要な内戦を引き起こし国力を弱めた事と東インド会社の台頭が、急速にムガル帝国の衰退を招きます。…というところで何故か本著は終わってしまいます。続編書くべきだがやめたらしい。何とも中途半端。これだから陳瞬臣は嫌いだ。