あらすじ
高齢になるとやっかいな「老いへの不安」と「むなしい」という感情。これさえ遠ざければ日々の喜び、意欲、体調までが本来の状態に。不安や「むなしく」ならないコツはムリに「探さない」こと。何を? 「やりたいこと」「居場所」「お金」を……高齢者医療の第一人者による、ラクして元気になるヒント。
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Posted by ブクログ
精神科医の和田秀樹さんによる、老後の不安を消すためのヒント集。お金も最低限なんとかなる、認知症になっても本人は幸せ、老年期の高血糖や高血圧は体の適応のサイン、など、とにかく前向きな提言がいっぱい。何より、定年を迎えたらもう、世間体や勝ち負けを忘れて、自分が楽しいと思えることにだけ没頭すべし。たしかにそうだな、と思えるアドバイスが多かった。まあ、そうはいってもね、、と反論したくなる内容もあるけれど、そういう態度がまさに老年期のネガティブ思考の始まりなのかもしれない(笑)
Posted by ブクログ
この本を読めば、老後について必要以上に不安に感じることはなくなる。若いうちから自分に無理をして、老後の資金を確保するために働かなくていい。ある年齢を過ぎたら、仕事に邁進するよりも、自分で楽しいと感じられる時間を多く持てることの方が、老後の幸せにつながることに気づかされる。
日本は税金を払っているのに社会から守ってもらうのは恥だと思っている人が非常に多い。年金だけでは暮らしていけない。だが生活保護となると、世間体もあり及び腰になる。国がやるべきは国民の老後の不安をあおるのではなく、堂々と生活保護を受けられる仕組みをつくることではないのか。
老後を過ごす上で不安に感じるのは、お金と病気でないか。特に認知症は、脳の病気でその症状も十人十色。自分の親、もしくは自分が認知症となると、その家族はきっと頭を悩ませることだろう。しかし認知症である本人はどうかと言えば、むしろ多幸感に満ちているという。「その人の最もいい時代に戻る」といった方が近いのかもしれない。わずらわしいものから解き放たれることで、本人にとっては楽しい思い出に浸って、のんびり過ごせる。本人は苦しんでいるわけじゃない。そう考えると、認知症を目の当たりにして向き合う者にとって、少しは心の負担が軽くなるのではないか。