【感想・ネタバレ】みつばちと少年のレビュー

あらすじ

野間児童文芸賞受賞作家の村上しいこが描く、生命の讃歌!

集団の中でうまくやっていけない松井雅也は、中1の夏休みを利用して、養蜂場で働くおじさんのいる北海道へ行くことに。雅也が寝泊まりすることになった「北の太陽」という家では、さまざまな事情を抱えた、年齢のちがう5人の子どもたちが暮らしていた。「北の太陽」を運営するおばあさんやみんなとの交流、養蜂の仕事の手伝い、イカめしコンテスト出場……。自然豊かな北海道でのひと夏をつうじて、雅也の心に変化がおこる。

小学上級・中学から

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「北の太陽」の子どもたちと過ごすひと夏の物語。

雅也は夏休みに、北海道の養蜂場で働くおじさんを訪れる。寝泊まりするのは「北の太陽」。さまざまな事情を抱えた5人の子どもたちが暮らしている施設だ。相手の気持ちを考えて話すことができず生きづらさを抱えている雅也は、同様に困難を抱えた北の太陽の子どもたちと共に過ごす中で、前を向いて歩くことができるようになっていく。

『みつばちマーヤの冒険』の印象的な言葉の数々が、ときに雅也たちの心と重なり、ときに生きていく道を照らし、物語を彩っていたところが素敵だった。

クラスの中で遠ざけられ疎外感を味わい続けていた雅也が、「自分を受け止めてくれている」と確かに感じ、誠実に応えようとする姿が微笑ましかった。個性豊かな5人の子どもたち、特に同い年の海鳴との心の深いところでつながりあった交流は読み応えがあった。初めは隔たりのあった距離感が、徐々に縮まっていく様子が見事に描写されていた。

養蜂場で働くおじさんをはじめ、「北の太陽」で働く志保子さんや栄さんの、誠実に自然や子どもたちと向き合って生きている大人たちの姿も魅力的。

いかめしコンテストの優勝者の決まり方が、コントのように描かれていたのが個人的には残念だった。もう少し納得感のある、本人たちのがんばりが確かに認められるような形で決まってほしかった。

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2023年12月09日

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