【感想・ネタバレ】汐のなごりのレビュー

あらすじ

物流の担い手だった北前船や、世界に先がけて米相場が開かれていた北の湊に生きた人々の物語。凜とした端正な時代小説!
惜しくも急逝した北重人、追悼刊行。日経新聞(11/2付)の書評で、北重人の美質は艶やかな文章にあるけれど、今回は風景描写で見事な成果を上げている、と紹介されました。日刊ゲンダイ(10/3付)の[書評]に心打つ時代小説集と紹介されました。大藪賞受賞作家の新境地! 北前船が着く北の湊を舞台に、遊女や、廻船問屋、古手問屋、敵討ちに出向く武士、米相場を張る相場師など、運命に翻弄されながらも、強く、しなやかに生き抜く人々の物語。『海上神火』『木漏れ日の雪』『海羽山』『歳月の船』『賽土の神』『合百の藤次』など6編収録。

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Posted by ブクログ

「海上神火」「海羽山」「木洩陽の雪」「歳月の舟」「塞道の神」「合百の藤次」。
著者の故郷の山形県酒田市がモデルと思われる北前航路で栄える水潟の街、街中を流れる大船川(最上川)、そして北方にそびえる海羽山(鳥海山)を舞台にした6編です。各編の関連は無く、職業も女衒、商人、廻船問屋、町奉行、米の相場師など様々です。
しかし見事な文章です。最初の数行で、物語の中に深く沈んで行きます。職種が多様なためその説明に行数を取られやや冗長感が有るのは残念ですが、全体として完成度は高く、辛い状況を抜け出して前向きに終わる話が多く、読後感は良い。2009年の直木賞候補作。
北重人さん、2004年に初出版され2009年に亡くなりました。出版されたのはわずか9冊。
ポスト藤沢周平は一般的に葉室麟と言われていましたが、その葉室さん自身は藤沢周平の後継者を北重人だと考えていました。確かに生地が近い事も有って藤沢さんを彷彿させる作風です。ただ余りに近すぎ、既視感のようなものを感じるのが欠点かも。しかし、早世されなければきっと独自の良い作品を書かれたろうと残念に思います。
自分の本棚から抜き出した本なのですが、何故か読書記録が残って居ません。買った本は意地でも読む方ですし、読めば感想を書きます。まして大好きな北さん、読み始めたら読み終わったはずです。内容的にも記憶に無いので、あるいは何かに取り紛れて手を付けなかった本なのかもしれません。

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2022年07月07日

Posted by ブクログ

結末がほっとする方向で終わるので、安心できる。
私のふるさとが舞台なので、それも十分楽しめた。
もうすこしドラマ性の色が濃くてもいいと感じた。

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2015年07月25日

Posted by ブクログ

北前船の着く湊町を舞台にした6つの短編。
確か初めて読む作者だけど、空気が感じられる文章だなあ…なかなか良かったです。最初の話が一番好き。

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2013年02月07日

Posted by ブクログ

一つ一つはなかなかだったけれど、読み終わってみて、特別な読後感や印象に残るようなインパクトは感じられなかった

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2012年12月28日

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