【感想・ネタバレ】火の闇 飴売り三左事件帖のレビュー

あらすじ

惜しまれつつ逝った著者の遺作。飴売り三左の行くところ、難事件が解決する。江戸の町に、人の心に、飴売りの声が沁み渡る。
金が、金のあるところにしか 回らない。盗人も横行、百姓が逃散する時代、家中の権力争いに巻き込まれ、武士を捨てた飴売り三左。顔はいかついが、笑顔は天下一品。腕が立ち、肝も据わり、頼りになる。市井のもめ事・難事件を鮮やかに処理。殺人事件の下手人捜しから、敵討ちの助っ人、よろず決着。三左がなぜ、武士から飴売りになったのかといういきさつを描いた絶筆118枚の「火の闇」他、5編を収録。
その急逝が惜しまれる珠玉の作品集。

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Posted by ブクログ

私の好きな時代小説作家・北重人さんの遺作。
実は買う前に「捕り物かぁ」と思ったのです。捕り物と言う形式を採ると、どうしても事件が中心になって、人情とか毅然とした生き方と言った私の好きな時代物の要素が弱くなって、私の中では少しランクが下がることが多いのです。
この短編集の最初の作品は、そんな懸念通りで「やっぱり」と思ってしまいました。
しかし、後に行くほどどんどん良くなって行きます。最後の短編・絶筆の表題作『火の闇』は見事な、北さんらしい作品でした。
本当に惜しい人を亡くしました。

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2016年07月23日

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