あらすじ
これからの時代、「頭がいい」は弱点になる!著者考案「考える力」が身につく技法、実践問題を集めた知の一冊。本書は、経済学者・竹中平蔵氏による「考える技法」を集約した一冊です。なぜ今「考える」なのか?それは、時代が大きく変わる中、これまでの知識では対応できないことが増えたからです。テクノロジーの進化や生活様式の変化により、私たちは新たな課題、事象に直面しています。いくら過去問を紐解いても、もはや正解はどこにも載っていません。「自分の頭」で考えるしかないのです。しかし、まずどこから考えたらいいのか、どういう順番で思考を進めればいいのか、わからないこともあるでしょう。そうしたときに、考えるとっかかりのつかみ方や、考えを深める方法を知っていると、前向きに考えることができるはずです。この本で紹介する「考える型」を参考にして、思考を深め、ビジネスの問題発見、課題解決に活かしてください。(本書の「序文」より)今、社会に閉塞感が漂っているのは、難しい課題があちこちに淀みながら散在するからでしょう。しかし私はこれらの問題は、あきらめずに考え続けることで、必ずや最適解に近づくことができると信じています。これからの社会を担う多くの若い人たちに、目の前の課題解決のきっかけにしてほしい。先の見えないモヤの中を歩んでいる皆さんの羅針盤にしてほしい。そう願って、本書を書きました。「でもいったい、どうやって考えればいいのか」疑問を抱いたときが、考える力をたくわえるスタートラインです。
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Posted by ブクログ
平易にわかりやすく「考えること」のコツを提示してくれ、あっという間に読み切れる本。 しかしながら、この本を読んだだけで分かった気になる、ということはすごく危ないだろうなぁと思う。
この本の裏のメッセージは「この本はあくまで考え方のヒントを提示しているだけであって、どう考えるか、どうマイストーリーを築いていくか、ということを考えることそのものを考えてほしい。」というような気が勝手にする。
考えることは私にとっては難しい。昔から考えることは自分にとってはすごく苦手意識がある。考えてるふりしてるだけじゃんと言われてたこともある。
自分の身近な人の思考プロセスを聞いて、へぇとはなるものの、どうやったらそういう考え方になるんだろう?とは思うけれど、どうも自分ではうまくいった感覚がない。うまくいった印象が少ない。
自分の頭で考える、ということは、私にとっては、すごく難しいことだと思っている。 苦手意識がある。 普段の仕事でも、じっくり考えるということより、高速に処理することばかりやってしまう。 判断する⇒行動する、のスピードで価値を出そうとしてしまう。(つまり考えることよりもまずやってみて、やってみた結果をもとに考えるタイプ)
苦手意識があるからこそ、多くの本を読んで知識や考え方を吸収して、少しでも自分の中での考え方の整理の武器にしようと努力しているつもり。 しかしながら、ある方に「本ばかり読んでるから考える力がつかないんだ」と指摘されたこともあり、すごくグサッと来たのだが、でも変えられず、こうしてまた本を読んでしまう。
本を読むことの方が、『考える』ことよりも、自分にとっては楽だからかな。 あと、自分なりに考えた結果に対して、あれこれ否定されることも苦手だというところもある。詰問されているように感じてしまうことも多い。 そうした苦手意識から、やはり前向きになれていかないのか。
すごく平易にまとめてくださっていて、たぶん自分の子どもたちが読んでも理解できるし、なにそれ?簡単じゃん、と言いそうだが、僕にとっては、ある意味、またこれ難しい本となってしまった。(もちろん読むこと自体は楽しくて、二度読みしても一日で読めてしまう量なのだが)
以下、抜粋引用となります。
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P40 (小泉元首相が安部次期首相に伝えたこと)
「とにかく、できるだけいろんな人の話を聞いたほうがいい。そして、いろんな方向から情報を集めたほうがいい。しかしね、総理のような権力のある人間が、そうした意見を耳にして、すぐに『わかりました』『やりましょう』などとは絶対に言っちゃダメだ。ありがとうございました、とだけ言えばいい。いやというほど話を聞いたら、それをすべて持ち帰る。そして一人になって考えたとき、ストンと腹に落ちたことだけをやる」。
P46 今のように、子育ての本や子育てブログが巷にあふれていなかったからこそ、自分の頭で考えざるを得なかった時代でした。
しかし、だからこそ揺るぎない自分だけの子育てのルール、方針が出来上がっていたのだと感じます。
P86 正々堂々とは、もともと中国の言葉で、春秋時代の軍物書に書かれた言葉です。「正々の旗」は正しく列が揃った旗のことを指し、「堂々の陣」は堂々と胸を張った自信たっぷりの軍隊の様を表しているそうです。
つまり、今はどんなに辛くても、正しいと思った旗を、胸を張って仲間とともに上げつづけろ――。
P88 「志」を持つ人は、貪欲です。
人やモノ、あらゆる事象に触れたときに、自分が触れたときに、自分が抱いた志を実現するために、なにか学びになるのではないか、と貪欲に「テイクアウェイ」しようと好奇心が自然に起動します。
P90「…と表向きには言っていますが、実はそんなふうに気づいたのは、相当あとになってからです。最初は無我夢中で、いろんなことをやりながら自分のやることの意義や志が形になっていった。実際はそんなものですよ」と。
P95 川がいくつもの支流に分かれるように、目の前の課題は、もっと大きな課題(源流)を切り取った一部でしかないことがほとんどです。
真の課題、本当の狙い、隠れた本質はどこにあるのか?それらを探るためには、一度原点に戻るのがいいのです。
つまり、川を源流に向かって上っていくのです。
P105 いずれにしても、皆さんは何か疑問に感じたら、川を上るとともに、
「待てよ、これは日本特有の問題なのだろうか」
「アメリカでは、中国では、アフリカではどうだろう?」
「欧米のスタンダードはどうなんだろう?」
と、海を渡って考えてみてください。
視野を広げることで、思考が深まるはずです。
P116 ただ、私は手書きにこだわっています。「書く」という触感を伴う行為が、五感を刺激して、脳に記憶として定着しやすくなるとともに、考えるという行為につながりやすいからです。
P121 60年代にデビューし、70歳を過ぎた令和の時代にも第一線のロックスターとして活躍する矢沢さんは、アマチュア時代、「ザ・ベース」という名でバンド活動をしていました。
「基礎をバッチリ身につけたいという思いがあった。 ベースをしっかりしようと」
考えていたからだそうです。
「基本」なくして大成なし。
P170 実際、アメリカに比べ日本では、個人の金融資産における株の割合は低く、株価が上がっても直接的に恩恵を受ける人の割合は低いかもしれません。
しかし、日本の年金はその半分を国内株式と外国株式で運用しており、株価の上昇は将来私たちが受け取る年金にも直結します。
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