あらすじ
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時間・空間の物理学である一般相対性理論を、その基礎から宇宙論への応用まで、懇切丁寧に解説した本格的な入門書。
本書を理解するには、特殊相対性理論に関する大体の知識さえあればこと足りる。テンソル解析にしても、スピノール算にしても、本書の理解に必要な道具はすべて本書に解説してある。著者の手引きで、読者自身が、相対性理論を創りあげていくといったスタイルで話が展開されているから、じっくりと腰をおちつけて読めば、ちょうど推理小説でも読むように、一歩一歩と相対性理論の核心に進んで行くような感じをもつことであろう。
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Posted by ブクログ
相対性理論の専門書は6冊目(ブルーバックスの高校数学でわかるを入れると7冊目)。
物理的な根拠と解釈が非常に詳しく書かれている。扱っているトピックも他書にはないものも多く、大変に豊富。式展開も丁寧。学術書らしからぬ書き口もユニークで学んでいて引き込まれる。
特殊相対論、電磁気学の知識は前提にされているが、それ以外は本書で学べる。
重力波やブラックホールについても、これまで読んだどの本よりも詳しい。
8章のスピノルを使った時空のカテゴリー分けの所は数学的なノーテーションを物理的な概念に結びつけるのが難しかった。また、最後の第10章 重力場の理論の正準形式はもっと解析力学に対する洞察を深めないと理解はできないと感じた。
☆興味深い記述
・テンソルはその定義されている点を指定しなければ意味がない。例外はアフィン・テンソルのみ。
・ベクトルを平衡移動させてもその大きさが不変という要請、および空間の各点で測地系を選ぶことができるという要請の結果、接続係数は計量テンソルで決まってしまう。この空間を計量接続空間という。
・ロバートソン・ウォーカー計量で出てくる宇宙の半径は、仮想的4次元ユークリッド空間における空間部分を理解しやすいように補助的に考えたもので、もともとの4次元リーマン空間である時空における半径とは直接には関係ない。
・ロバートソン・ウォーカー計量モデルから近似式としてのハッブルの法則が導かれる。