あらすじ
戦争が終わり,皇帝はいなくなった.新しい時代を夢見た人びとは,よりよい明日を求めて戦うが…….一九一八年から一九一九年にかけての冬,ベルリンの貧しい地区で育った少年ヘレは,失敗に終わった革命を目撃する.二十世紀前半のベルリンを舞台に,激動の時代の転換期を労働者一家の目線でとらえた傑作三部作,第一巻.
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Posted by ブクログ
何ヶ所、号泣したかなあ・・・
1919年、ドイツ。戦争を終わらせるため、水兵が蜂起したことをきっかけに起こったドイツ革命。それらに命をかけたベルリン市民の闘いを軸に、貧しくも誇り高い主人公ヘレの一家と隣人たちが、世界を、生活を、未来を良くしようと挑む命がけの日々。
大きな時代のうねりをしっかりと描きながら、登場人物それぞれの心の動き、その背景にあるものを蔑ろにしない。とりわけ、主人公ヘレ目線での、家族や友人そして社会に対する心情の描写が素晴らしく、何度も息が止まりそうに切なくなった。
革命がなくても、戦争が終わっても、食うや食わずの苦しい生活の中で、家族や隣人たちと心を寄せ合い、ユーモアを忘れずに暮らすヘレたちの姿に励まされ、その深い人間愛に胸を射抜かれまくりでした。
一ヶ所には到底しぼれないのだけれど・・・
そんな毎日の中でのクリスマス。大切な人へのせいいっぱいの気持ちを贈り合う場面では、彼らの生活や激動の数週間を思うとこみ上げるものが。ラスト近くの送別の場面も、もう泣くに任せるしかない。という状態でした。
こんなすばらしい物語の感想なんてまとめられない!そして、これまで知らないで生きてきたわたしのばか!今読むことができて本当に良かった・・・