あらすじ
ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした
前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー!
本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。
娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。
しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。
だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、
白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。
正解最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章!
『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
本書は最終章で始まる。(中略)真相が明かされるのはラスト2章!前人未踏の超絶技巧サスペンス。
なるほど、真相がこうならばこれは最終章から始めないといかんよね。第2章で「ああ、ガブリエルの正体ってこういう……」と納得しつつ第1章を読むと「ああ、あのシーンは全部仕組まれたことだったのか……」と納得。解説で阿津川辰海氏が言っていたように徐々にズームアウトしていき、物語全体が見えるようになっていく手法がすごかった。
イメージとしては『カメラを止めるな!』が近いかな、違うかも……。一気読み必須のサスペンス。
Posted by ブクログ
久しぶりのディーヴァー。よく考えられた作品で、少しも飽きることなく読めました。最後の2章(最初?)で「おぉ。そんな事だったのか」となりますよ。ディーヴァーのあざとさに辟易して暫く読んでなかったが、これくらいの作品なら偶にはいいか。
Posted by ブクログ
オクトーバーリストという重要な顧客リスト。ファンドの社長の高跳び、そして怪しげなチンピラ、娘を誘拐されたガブリエルは、なぜ血まみれなのか。一緒にいるダニエルが支え、逃走する。娘を救い出せるのか、大金の行方は、そしてオクトーバーリストとは何なのか。
時間を遡るかたちで進んでいく真実にうまい!の一言。ニューヨークのベーグル、アッパーウエスト、イーストの雰囲気、地下鉄は57ストリート。街を歩きながら、周りを見渡し、その様子を伺うシーンが素敵にニューヨーク。
最後の3時間が秀逸。裏を描くその裏を描くといったところか。
Posted by ブクログ
逆行するストーリー、読んでて疲れる、記憶が定着せずんっ?となる
最後の複数段階回収は見事、読み返さなくても理解出来た(が読み返したくなる)
面白かったし感心したが、なんかモヤっとした感じが残るのはなんだろう、良い人がいない・応援したくなる人がいない感じかな
Posted by ブクログ
娘のサラを誘拐されたガブリエラ。
犯人からは身代金50万ドルと共に勤め先の投資会社の上司が残した”オクトーバーリスト”なる謎めいた書類を要求される。
知人のダニエルとアンドルーが犯人との交渉に向かい、ダニエルの仕事上のパートナー、サムとホテルでその交渉結果を待っていたところ、結果を携え扉を開けて入ってきたと思ったのはダニエルではなく犯人だった。。。
から始まる完全なる時間逆行物語。
フラッシュバックを巧みに取り入れるものや、衝撃的な結末から始まり”過去に遡る”作品には時として出会うのだが、ここまでストイックに過去方向にしか時間が流れていかない物語は初めて。
いかんせん構成上の企みの縛りがきつすぎて、巻末こそディーヴァーらしさが現れるが、9割方は結末(始まりにして真相)までの余興感が否めない。
それでも、細かなつなぎで途中放棄の念を覚えさせられることなく最後までたどり着けたし、何といってもこの試み自体が感嘆に値する。
本筋の感想ではないが、恥ずかしながら、「マクガフィン」なる演出上の用語を初めて知った。
ことばを知るのも読書の楽しみのひとつ。
Posted by ブクログ
最後の章から始まるミステリー。「この作者のことだから、たぶんどんでん返しはこんな感じなんだろうな」とおおよその推測はできる。
通常、あれ、この伏線はなんだったか? と小さいページ数に戻ることはよくある。この作品では何かの結果がでたときには「さあ、これは何が原因でこうなったんだ? これから伏線が出てくるはずだから見逃さないようにしなくちゃ」となる。とはいえ、伏線が登場したときに「あれ、この結果はどうなったのか」と小さいページ数に戻って見返すこともある。何しろ、いきなり結果だけ先に登場するのだから「誰だ、こいつは?」ということが多い。というか全部それ。
読み始めは辛い。何が何だかわからないからとにかく辛い。中盤を過ぎる頃にはだいたいの全体像が見えてくる、そこまで我慢。
Posted by ブクログ
「あなたの力が必要になる」
「もちろんよ」
「言っておくけど、エレナ、これは…極端なことよ」
「ねえ、わたし、なんでもするって言ったでしょ」
「わかった。あなたには車に轢かれてもらいたい」
「えっ?」
これは作中のなかでいちばん好きなやりとり。
そのあとの、
「なんでもって言ったのは、ほんとは徹夜してファイルを読むみたいなことなんだけど」のセリフもかわいらしくて素敵で使ってみたい。
誰かの力になりたくて名乗り出たあと無茶ぶりを要求されたら言おうと思う。
お気に入りのやりとりがひとつでも発見できると、
その話を読んでよかったなという気持ちがいっきに芽生えて安心する。
なにしろそういう発見を自分で拾っていかないと、この話は読むのがとてつもなく大変だったのだ。
この小説は最後のシーンから始まってページが進むごとに時系列をさかのぼっていく変わった方法で書かれていて、つまり最初のページがこの物語の最後のシーンになるというのだ。不安すぎる。
しかもそのシーンがまた中途半端というか、相棒元日スペシャルでいったら22時30分、クライマックス直前の長めのCMが入るあたりで終わっているのでもうテレビならクレームものだよ!と慌ててしまうほどである。
5章目まで読んで「これは私の脳で理解できるものなのか?」というまた別の不安に駆られだす。
「最後の章から逆に読んでいったら普通の話として読めるんだぞ」、という悪魔のささやきを何度も振り払いながら読んだ。
結果→原因の流れで読んでいることは分かっていても脳みそは勝手に原因→結果で理解しようとしてしまって、常に激流に逆らって歩いていく努力が必要だった。
それでもなお頑張っていると、脳が少しずつ登場人物を覚えていくからこれがまた不思議のなんのって、オリンピック開会式で適当に眺めていた国や選手たちが、閉会式となると「ああ、あの金メダルの子か」とか「やたらテンション高いコーチがいた国だな」とか分かっていく感覚に近い。
小さな伏線回収の繰り返しが気持ちいいので、その原料となるごく小さな違和感を忘れないためにも、いっきに読むのがおすすめだ。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズを続けて読み終えた後、更にシリーズ続編を読もうと思っていたにもかかわらず気になっていた本書に手をつけました。
なぜシリーズ続編ではなく、本書なのか?
それは下記説明にもある通り、本書は最終章から始まり、ページが進むにつれて章を遡っていく(時間が過去へと巻き戻される)という異質な作品であるからです。
しかも著者はジェフリー・ディーヴァー、そうです、大どんでん返しの魔術師が書いたミステリー作品だからです。
最終章から始まるということは、時間軸としての結論はわかっているんです。
しかし、時間を遡ることで、そこに仕込まれていたプロットが明らかになり、読者を驚愕させる。
(私もまさかの筋書き(台本)に驚かされた著者の思うツボの読者です)
しかし、まだまだ私の力不足。
最初から最後まで時間を遡っていく本書の構成が読みづらい。
ゆえに☆3つと厳しい評価となりました。
ドハマリしてりいるリンカーン・ライムシリーズ程のどんでん返しに次ぐどんでん返しみたいな楽しみ方は出来ませんでしたが、著者の作品は今後も楽しみに読み進めていきます。
説明
ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした
前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー!
本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。
娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。
だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。世界最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章!
『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。
Posted by ブクログ
最終章からさかのぼって第1章で終わるという斬新な試み。
試みは面白かったが、整合性等を把握するためには時間を空けて読みにくく、またディーヴァー作でもあり、さかのぼるからにはある程度のトリックがあると考えながら読むと、結末(始まり)はある程度想定内であり、あまり面白くなかった。ただ、この話にするならこの手法にするしかないかな。
Posted by ブクログ
面白かったが、ちょっと期待し過ぎてしまった。か弱い女性と思った主人公が実は正反対という設定は、「その女アレックス」を思い出した。また、過去に遡っていくという展開は映画「メメント」を思い出した。。。あとがきを、読んだ。というか前書きか。やはりメメントに言及していた。確かに「特異」で技術的にすごい作品かもしれない。でも私には分かりにくく感情移入できなかった。各章の何時、何時間前というのは分かりにくい。写真もわかりにくかった。残念。