【感想・ネタバレ】庶務省総務局KISS室 政策白書のレビュー

あらすじ

2020年、世界を襲ったSARSインパクトにより国際社会は激変した。庶務省総務局、経済インテグレーション・サステナブル・ソリューション室、通称KISS室の島崎室長と部下の中村君は、地球温暖化問題や働き方改革など、他省庁をたらい回しにされた重要課題に対する、エレガントな政策提言に余念がない。「潜水型流氷カニ運搬計画」「残業パラダイムシフト」「国際原子時(TAI)連動景気対策」などなど、日本を救うショートショート15篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

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 ひらがなはやせ。グリフォンズ・ガーデン生まれってことは実体は無いのか? まさか…



 きっと誰もが目にしたことのある政治ニュースや社会問題を、なんとまぁお洒落に風刺している。裏書きに「エレガントな政策提言」とあるけれどほんとに貴族的で、一種天才的なのにダメキャリア官僚の室長と紛うことなき天才で実家が異常に太い一般職採用の中村くんのコンビはどちらも浮世離れしていて、真面目に不真面目を真面目に追求したような働きぶり。
 そんなふたりの繰り出す痛快な皮肉合戦が、各種トピックをさくさく軽快に切り裂いていくのが痛快であり、ところどころその皮肉が現実に反映されていてヒヤリともする。

 各篇室長の「中村くんさぁ……」から始まる感じも好き。だいたい厄介事って上司の「○○くんさぁ」から始まるよね確かに…

 力が抜けて、お手軽感もあってとてもよかったです。
☆3.6

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2021年03月02日

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