あらすじ
2021年を逃せば、日本企業は百年に一度のチャンスを失う。SaaS、リテールテック、ロボティクス……。トップエリートたちが世界と戦うビジネス戦略を徹底解説!
2020年初頭、新型コロナウイルス感染症が世界を襲った。未曽有の危機に立ち向かうため、各企業はテクノロジーで応戦。コロナは世界におけるテクノロジーの進歩を加速させた。
一方で、対応に失敗した日本企業は世界との差を広げる結果に。コロナの流行から最初の二カ月で世界と日本の差は二年開いたと言われ、その後も格差は広がる一方だ。
2021年は日本企業が復権する最後のチャンス。「東大卒×元米ニューヨーク金融機関×ハーバード大学院理学修士×元グーグル×現ベンチャー投資家」という経歴を誇る著者が、世界で活躍する八人の精鋭の知見を紹介し、とるべきビジネス戦略を解説する。
トップベンチャーキャピタルファンドDNX Venturesの精鋭、米スタンフォード大学気鋭の学者、「DXグランプリ2020」受賞企業……。トップエリートが日本再興への道を示す。
【目次】
第一章 DXの浸透と黒船の襲来
第二章 SaaS ものづくり時代のおわり (倉林陽氏)
第三章 リテールテック 体験としての売買 (前田浩伸氏、中垣徹二郎氏)
第四章 フィンテック データが創る新しい経済(北村充崇氏)
第五章 ロボティクス 人と機械の共生(Q・モティワラ氏)
第六章 DX デジタル化の本質(櫛田健児氏)
第七章 DXの成功例 世界で戦う日本企業(冨樫良一氏)
第八章 スタートアップ 最新テクノロジーを取り入れる(野村佳美氏)
おわりに 日本の希望
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Posted by ブクログ
ー 社会課題を解決するために自らが破壊者になっていく。大切なことはスピードです。そしてこれを追い求めていったところ、自社ですべてやるというこだわりを捨てて、社外のパートナーを集める必要が生まれたのだといいます。
「手段にはこだわりません。事業提携でもいいですし、M&Aで仲間になってもらう方法でもいいでしょう。事業提携によるエコシステム作りにおいては、コロナ禍という厳しい状況も決して向かい風ばかりではないのです」(冨樫氏)
最も大切なことは、ビジネスの将来像を明確に描くこと。そしてそれをわかりやすく伝えることです。ビジョンを描くためには、どこに社会課題があるかを掘り下げて考える必要があります。そして実現のためには、自社だけでなくみなで解決を目指そうという姿勢が大切です。最終的には顧客にどのような価値やメリットを提供できるのかを共有することも求められるでしょう
ビジョン・価値・使命といった信念こそが企業の存在理由であることを冨樫氏は伝えてくれましたこれ自体は、テクノロジーが浸透する以前から変わらないはずです。しかし存在を認められ続けるために時代に合わせた変革が必要であり、それが現代ではDXなのです。これを推し進めるという決意を持つことが、何よりも重要なのではないでしょうか。 ー
強い危機感を持って、【自分たち】が一体何を実現したいのか、もう一度考え直す必要があると感じた。
【自分たち】=人類、国家、社会、企業、私
と置き換えても当てはまる。
テクノロジーの話は、企業の成長だけの問題ではない。
シリコンバレーの最先端のテクノロジーが我々に問題提起しているのは、つまりは、そういうことなんだと思う。
それにしても、「成長」をこの先、どう捉えて良いものか…勉強が足りないな…
Posted by ブクログ
SaaS、フィンテック、リテールテック、ロボティクスといった分野で、シリコンバレーで活躍する8人の投資家へのインタビューを通じて、日本企業が取るべき施策の方向性を示した1冊。既存事業に加え、新たな成長分野を取り入れるには、CVCなどを通したスタートアップへの投資が欠かせない。具体的に、シリコンバレーにどのような人材を送り、体制を整えたらよいかまで具体的に解説されている。
ややシリコンバレー賛歌的な雰囲気も感じるが、なかなかリスクを取ろうとしない日本企業に対する喝という点では、納得感のある1冊でした。
Posted by ブクログ
日本がIT技術で送れている理由や製造メーカーが生き残っていくための課題が整理されている。新事業に取り組むための、最低限の知識は得られると思います。
Posted by ブクログ
良書。たしかにそうだよなー。と思うことが多い,
・海外の企業の多くは自社でITエンジニアを抱えるが、日本はほとんどアウトソーシングであり、DX化が進まない。上手く活用できない。
・時価総額とは未来の利益を合計したもの
・RAAS b8taなど、販売のサブスクを提供し、メーカーはリアル店舗での客の行動を把握してデータ収集などに役立てる(新宿マルイに出店)
・テクノロジーとビジネスは両輪と見なして、一緒に回すことが大事。大学と企業の関係に改善を!
・(感想)ジョブローテーションが時代に即していない。専門性が何も身に付かず社内スキルや社内向けの仕事ばかりを習得し、転職などできない。(会社に有利)
一方で、専門的なスキルを持った人材が育たないからいつまでたっても外注する。コストも圧迫し専門人材も育たない。
・金融の民主化→個人が個人にお金を貸す時代?クラウドファンディングも。それにより、SDGSなど利益重視ではない事業にもお金が集まるように。
・ANAとユナイテッドの差
品質は優れているのに価格競争に巻き込まれている。
ANAはサービスの品質をDX活用するなどして測定し、それを航空会社選択の要因として世間に知らしめること!
そのために価値の見える化が大事。
・アンケートは一部の極端な声。忙しい人や子連れの人はアンケート出さない。お客様の満足を漠然と設定していないか?
・DXの目的の一つは価格でしか勝負できないような世界から抜け出して、価値を作り、示すこと。
・テスラの車内でzoom会議!
Posted by ブクログ
どう考えても日本でしか働いたことのない日本の大企業の従業員にこの教養は備わっていないと思う。
あくまで日本の事例しか出てこないガラパゴスのまま。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章DXの浸透と黒船の襲来
第2章SAASものつくり時代の終わり
第3章リテールテック 体験としての売買
第4章フィンテック データが創る新しい経済
第5章ロボティックス 人と機械の共生
第6章DX デジタル化の本質
第7章DXの成功例 世界で戦う日本企業
第8章スタートアップ 最新テクノロジーを取り入れる
おわりに 日本の希望
大前本にあるように、各フィールドのエキスパートへの
インタビューが大半になっている。
これは、アカデミーや、学者やコンサルでも、
もう時代の流れが速すぎで
論文を書いて分析している時間は
もうないのだということであろう。
Posted by ブクログ
SVではビジネスそのものがデジタル化されているので、DXという概念自体がないという表現は正鵠を射るものだと感じた。本書がタイトルにある「教養」であるかは別として。
Posted by ブクログ
日本の大企業がテクノロジーの進化に置いていかれずに繁栄し続けるには、今の主力事業で稼げてるうちに、将来の主力事業となる可能性を探し続けるしかないのだと分かった。
シリコンバレーとか世界の最先端技術がもっと早く日本に伝わり、日本でもビジネスとして消化できることを、さらに日本がその新しいビジネスのプラットフォームを作り世界をリードできることを、実施もしくはサポートできる人になりたい。
その新しいビジネスというのも、上に同じで移りゆくと思うので、そのサイクルをひたすら回すしかないのだと思うが。そう考えると、新しいビジネスを創出するサイクルを回し続ける未来に何があるのだろう?ゴールのないマラソンなのだろうか?結構きついな、でも常にエネルギッシュでいられそうだな。
■デジタル時代に求められる能力
①ITやデジタルの理解
②デジタル経営ノウハウ理解(M&AやCVCなど)
③英語力
■日本
日本はテクノロジーのビジネス化が下手
→せっかくの技術をグローバルスタンダードにしていきたい
→経営陣がテクノロジーや、シリコンバレーの現状を知らないのは論外
■DX
DXは、デジタル技術の導入によって、組織をどう変えるか?が本質。
方法は2つ
①デジタルツールを使って組織を根本的に変える
②既存の組織をデジタルツールの導入で改善する
■両利き経営
①現在の主力事業
②将来の主力事業
2つを明確に分けて考えること。
→本業が元気なうちに、新しい価値を作り出すべし。
KPI(Key Performance Indicator):企業が目標を設定したときに、その達成度合いを評価するための指標
大事なポイント
①組織の様々な人物が色々な考え方をできるか
②データが正しいかどうか見極められるか
■その他
・シリコンバレーでは(今後は)、攻撃が最大の防御。