あらすじ
沢田研二、吉川晃司から槇原敬之、BUMP OF CHICKENまで。そうそうたるアーティストをプロデュースし、阿久悠や平尾昌晃、松本隆などのクリエイターとも仕事をしてヒットを連発してきたプロデューサー、木崎賢治。彼によれば、ものづくりの基本は「好きだとかいいと感じたら、実際につくってみること、つくるからこそ見えてくることを徹底分析すること」だという。70代で現役、まだまだ新しいアーティストと仕事をしている彼の実践的仕事術を惜しみなく披露。いい作品づくりのためのコミュニケーション術、多くの人に聴いてもらえる工夫、日々の生活で心がけるべきことなどをさまざまなアーティストやクリエイターとのエピソードを例にしてわかりやすく説く。
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一言で言うと、音楽プロデュースの事例や経験を話しつつも、普遍的な方法論を解説した本。
可能性のなかからひとつを選択、目的を絞る、不必要なものを捨てる、自分の退路を断つこと。本当の意味での人生の目的に向かっていく。
目標があるとまっすぐ進むから無駄がない。
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自分の考えた良さに自信をもって貫き通す。
人間が作るものは誰かが意図していて、その結果として完成している。その過程を想像する。
意外性のあるものを組み合わせてみる。
裏にストーリーを組み込む。
道の看板のように、人は欲しているものを見る、そして表現しようとする。言葉が出ない時は、言いたいことがないのかもしれない。
人間はほしいと思ったものはつかめるようになる、切羽が詰まったときにはつかもうとする。いつも死を意識している人間は、様々なものが見えるようになる。
人間は昔の思い出を重ね合わせて感動する、これも真っ当な生き方かもしれない、しかし、自分は今この瞬間の新しい感動に生きたい。
変わらないために変わる、スタイルは変わってもその奥にあるスピリットは変わらずに生きたい。フランス料理などでも最近は繊細な味になってきている、昔と比べて現代人の舌が敏感になってきたからだ。でも、その奥にあるフランス料理のスピリットは変わらない。服のデザインも変化しているがスピリットは変わらない。ラーメンの味も、その時代の舌に合わせて変化するがスピリットは変わらない。形式ではなく、スピリットを追い続けていきたい。
言葉の意味よりも、その言葉で伝えようとしている内容、言葉の質感、言霊のようなものが重要。
面白い歌詞は、普通から生まれる。俳句だって5・7・5のリズムから生まれている、形式の中でも傑作は作れる、変に奇抜を狙わなくても良い。
人間は、興味のあるものを認知する、認知するものは人によって違う、それが世界の切り取り方であり、その人なりのアートである。世界を見たい形に切り取っているという面ではどんな人間もアーティストである。
人間の気持ちに100%はない。葛藤が共感を生むし。何かを決断する時、別の感情を隠して、100%を表している。その覚悟とかひっくるめて切なさとかを感じる。
予想を裏切る、ギャップは人の心を動かす。
ブレないためには目的が必要だし、哲学や自分らしい生き方を持っていないといけない。目的を曖昧にしてブレまくっていると、失敗した経験も次の肥やしにならない。可能性の中から1つを選ぶ、目的を絞る、不必要なものを捨てる。自分で退路を断つことで、本当の意味で人生の目的に向かっていくことになり、様々なことを発見できて、より深い知識を手に入れられる。
何か昔のことに似ていると言いたがるのは、自分の知っているものと結びつけることによって安心感を得たいから。
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本屋で見つけ、タイトルと帯に惹かれ、目次や「はじめに」を読んで、たまらずレジに持って行きました。私が生まれた頃から最近アーティストまで、ずっと現役として活躍を続けているベテラン音楽プロデューサーの書。
不勉強ながらお名前を知らなかったんですが、冒頭に書かれた「つくっちゃえ、みなさん!」の言葉に、グッときました。純粋にいいな、この人って。
巻末に一覧化された作品群を見て圧巻です。
まったく別の業界で仕事してますが、人を相手にしたクリエイティブな仕事全般に役立つヒントが詰まってました。感銘を受けてSNSにシェアした言葉が幾つもあります。
ご自身の実体験を基に、歳上との付き合い方や今の若手との仕事の仕方など、ベテランだからこそわかる世代を超えた示唆に富む内容です。
人を惹きつける仕事をしてる方が、ヒットの確率を上げるためにすべきことがわかるオススメ本。
読書の際には、スマホを脇に、本書に登場するアーティストやヒットナンバーを検索しながら読むと、理解が深まること請け合いです。
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なにがワクワクするのか?なにが好きなのか?って言語化するのは本当に難しい。
クリエイターは常にそういうことを考えながら、インサイトを分析をして、人に受けるヒット作品を作っているのか!
無敗営業の高橋さんがClubhouseで進めていたので、読んでみた。
音楽業界という枠にとらわれずに、人を魅了するためにどうすればよいのかのヒントを得た。これは仕事(営業)でも使えそうだ。
面白いと思ったら、それを自分がつくるにはどうすればよいのかをとことん追求していく。
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アーティストのプロデュースに留まらず、仕事をする上、生きていく上での普遍的な話が散りばめられていると感じた。
-求めていれば見えてくる。常に考えていれば見逃すことなく必要な情報に出会える
-オーラは自身の大きさとイコール
-人間の決断は100%ではない。覚悟の裏で何かを諦めている
-うまくいっているときほど何も考えない
-願望は口に出して言う
-自ら退路を断つことで人生の目的に向かっていく
-人は死ぬまでカッコつけて生きるべき
-誰でも変わる可能性を持っている。それを信じる
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音楽をプロデュースしている木﨑さんを存じ上げませんでした。これまで関わってきた作品の数々が紹介されていますが、どれもこれも聞いてきた曲ばかりです。多くのヒット曲を世に送り出してきた木﨑さんの仕事柄気をつけてきたことが、ぎゅっと詰まった一冊です。音楽の世界は無頓着ですが、本書はそんな知らない世界を知ることができ、また自分の仕事を進める上でも参考になる出来事が語られていました。
沢田研二さんの「TOKIO」という曲が生まれてきた現場を垣間見れたところが、とても印象に残っています。私が人生の中で最初に購入したレコードが沢田研二さんの「勝手にしやがれ」です。この「勝手にしやがれ」が生まれた経緯も本書には書いてありました。へぇ〜こんな風にしてこの曲が生まれてきたんだ〜と、こちらも、興味深く読ませていただきました。
新しいものを生み出し続けることを実践してきた木﨑さんのコメントは説得力があり、同意できるのですが、それを真似することは簡単にはできそうもないなぁと感じている自分がいました。つまり、何か新しいものを生み出してきたのかと問われると、これといって明確に言えるものがまだないということなんですよね。次の一歩を踏み出す勇気をもらえた一冊になりました。
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プロデュースについて、音楽プロデューサーの木崎賢治が書いた一冊。
古今東西の多くのJ-POPアーティスト(当時はJ-POPもアーティストも呼ばれてなかったが)のプロデュースをしているだけあり、その言説は説得力があった。
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おん年75歳の音楽プロデューサーの「法則」=考え方を記した本。
沢田研二からBUMP OF CHICKEN まで手がけたということで業界では高名な方であるご様子。糸井重里さんが帯でベタ褒めしているところからも伺える。
音楽のプロデュース、というのがアーティストと歌詞と曲で三角形を作る仕事であるということ。三角形は大きいほど多くのリスナーが入る。アーティストにはじめて会ったときに、そのアーティストの完成形が見えるかどうかがプロデュースの鍵。新人のアーティストを見るときに気にするのは、まずは曲を作る能力や歌声・・・どちらも持って生まれたものや生きてきたなかでつちかった感性によるもの
特に心に引っかかったのは、歌詞をどう捉えているか。詩というのは心で思ったことを絵が見えるように伝えるもの。その気持ちになった時に見えているものを描く。心が動いた瞬間に見えているものを記憶する。歌詞は文章でなくていい。メロディが感情を担う
おいくつになっても、新しい学び指向、新奇指向なので、根底には通じるものがあると感じた。
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音楽をプロデュースする方が、どうやって周りの人の力を引っ張りだすのかを知りたくて買った。
自分を信じること
自分を更新すること
相手を信じること
クリエイティブな環境を作ること
などなど、具体的に書いてあったので、とても読みやすかった。
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アーティストと一緒に音楽作品をつくりあげるにあたってどんなことを意識しているか、どうすれば売れる作品をつくることができるのか、といった法則を音楽プロデューサーの著者が紐解く一冊。その法則はコミュニケーションの取り方であったり、発想力の広げ方であったり、そもそもの法則の見つけ方であったりする。クリエイティブな分野の仕事は生まれ持ったセンスや才能が重要だと思われがちだし、実際そういうものも少なからず仕事に影響するのかもしれないけど、それよりももっと大事なものがたくさんあるんだなと思わされる本だった。自分の感性をもとに自分の理屈を構築すること、常に何かを求め続けること、新しい挑戦をやめないこと、そして相手の個性も尊重すること。ちゃんと覚えておきたい。
【読んだ目的・理由】日経ライフの記事で見かけて
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.0
【一番好きな表現】だから僕は、「詩を書くときは、見えているものを書きなさい」とアーティストに言います。その人が見えているものに、その人の感情や考え方が表れていますから。毎日の生活のなかで感じたこと、そのときに見えたものを大切にして覚えておくことが、アーティストがやらなくてはならないことなんです。そのようにして本当に見て感じたことは、必ず伝わります。(本文から引用)
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感性を大事にする。そのヒントは、たくさん入っている。
巻末の資料を見ると、全てが当然のことながら大成功というわけではなく、全く売れなかった話とかもあると、さらに参考になったのでは。
それから、ずっと続くアーティストと、離れた人との違いは。
ただ、百冊買うというのは、やや大袈裟です。
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作中で言及されている音楽については、世代が違うこともあり、スッと内容が入ってこず少しもどかしく感じた。
しかし、著者が音楽と関わっていく上で、どういう考え方でどういう行動をとったか…については、丁寧に書かれていて読みやすかったと思う。
自分の感性を信じ、たまには疑い、自分の納得できる仕事をし続けながら、自分なりのプロデュースの基本を探す事こそ、作る人の仕事の醍醐味なのかな、と思った。
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数々のヒット作を世の中に生み出してきた、音楽プロデューサー木崎賢治氏のこれまでの音楽プロデュースの中で培われてきた、思考法や発想法を惜しげもなく伝えてくれている。音楽というジャンルだけにとどまらず、あらゆるビジネスや生き方にも活かせる、彩りを与えてくれるヒントがたくさん散りばめられている。
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吉川晃司さん、槇原敬之さん、BUMP OF CHICKEN等をプロデュースしてきた音楽プロデューサーの木崎賢治さんが、自分の仕事術を文章化した一冊。1970年代~現在まで数々のアーティストをプロデュースしてきただけに、70歳を超えているにもかかわらず考え方が若く、キングヌーやビリーアイリッシュなどの、最近の楽曲を研究されているのはさすが。アイデアは新しいものの組み合わせだったり、ストーリー性があると新しい価値が生まれるなどなど現代のSNS時代に使えるテクニックが満載。
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帯に糸井重里のメッセージとして、こんなに役に立つ本はなかった云々とあったけど、ハウツー本ではなく考え方の軸を持って対応すべし、みたいなことが何となく理解できる本。著者も言ってる通り、彼がその時々に何を感じ、どうしてきたのかを綴っている本なので、理解の仕方、役立て方は読者次第でいいと思うし、元々そういうスタンスで書かれていると思う。それなりの成功をした人はやはり自分の考え方をしっかり持っている。変な迎合はしない。
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こちらに語りかけるような文体で読みやすい。プロデュースの技術的な話というより心持ち的な話や経験談が多いので、いい意味でゆるく読めて私は嫌いではない。
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音楽プロデューサーが書いた本。
音楽に関わる仕事の話だが、プロジェクトとして考えると我々にも有効な様々な考え方があると思った。
特に一つの例で法則を作ってもいい。と言うのはインパクトがあった。別に学術的なモノを求められていないのだからという当たり前の事に気づきができたので自分にとって肩の荷が下りた感覚だった。
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80年代は沢田研二や大沢誉志幸、90年代は槇原敬之やトライセラトップス、2000年代はBUMP OF CHICKENなど、各時代で優れたアーティストの作品に関わった音楽プロデューサーである著者が初めて記したクリエイションの極意をまとめあげた一冊。
プロデューサーという存在は外部からはその役割がわかりにくい。音楽プロデューサーの場合は、小室哲哉などに代表されるように自らが作曲者である場合はイメージしやすいものの、作曲などの直接的なクリエイションに関与しない場合の実態は特に不明瞭であろう。
著者は後者のタイプの典型的なプロデューサーであり、アーティスト本人や職業作詞家・作曲家、アレンジャー、スタジオミュージシャンらをまとめあげるリーダーポジションとしてどのようにプロジェクトを進めていくのかに関するHow Toが非常に平易な言葉で綴られる。それは音楽を愛する自身のような人間にとっても「なるほど、こういう役割をしているのか」という具体が知れる点で非常に面白いものだった。
それはさておき、本書の面白さは特段音楽に興味がない人
にとっても、何かをクリエイションする際の参考になるポイントが多数ある点である。例えば、音楽で言えばコード進行やメロディーの進行方法などを分析的にとらえて、自分なりの”キュンとなる法則”がわかればそれを徹底的にトライしてみて他人に伝わらないようであれば軌道修正をかけていく、という仮説検証的なアプローチはその一例である。
非常に短い時間でさくっと読める良書。