あらすじ
「宇奈月から黒部への旅」と書き残し、政界スキャンダルの鍵を握る若手官僚が姿を消した。彼を追う女性新聞記者の死体が、黒部峡谷を走るトロッコ列車の終点・欅平で発見され、十津川警部は黒部に向かう。その先には行くことが難しい終点駅から、犯人はどこに消えたのか? そして、事件の舞台は、路線距離100キロ超と地方鉄道ながら有数の規模の富山地方鉄道に。好評「地方鉄道」シリーズ。
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Posted by ブクログ
政治の力って大きいんだなあ、と。
国のトップで自分の利益のために頑張っている容疑者を見て、自分も頑張ろうと思えた。
最初は違う人物の視点なのにだんだんと十津川警部の話になっていたことにあとから気づくのが面白い。
Posted by ブクログ
〇若手官僚の失踪に殺人がどう関係するか?!
旅行会社勤務の牧野は、大学同級で内政省勤務の白石と連絡が取れない、と妻で大学同級の麻美から連絡を受け、出かけたと思われる富山県の宇奈月や黒部周辺へと、2人で探しに出かけることになる。
宇奈月温泉に1泊した2人は翌日、黒部峡谷鉄道に乗って白石を探しに行くが、終点の欅平駅では女性が何者かに殺されたと知る。そしてそこで牧野が出会ったのはこれまた大学の同級で、中央新聞記者の大久保。なんでもその殺されたのは中央新聞記者の川野だったということだ。
そして十津川・亀井も、内務省大臣と白石の関係が深いという理由で川野が白石を追っていたことから、この事件を追いかけ始める。内務省大臣の不祥事を、若手官僚の白石がかばったことから、その不祥事を警察が立件できなかったということがあり、大河原大臣・白石・川野の関係を鑑みて、警視庁が富山県警と内密に捜査連携をすることになり―――
***
黒部峡谷鉄道の終点である欅平で誰が川野を殺し、どうやって逃げたか。不審者が帰りの列車に乗っていた形跡はなく、殺した後どうやって逃げおおせたがが焦点であったがなかなか見つけられない。
そんな最中、大河原の秘書の佐々木から、牧野は「白石を富山市で見た、と言え」と言われ、協力するつもりで噂を喧伝したが、それを何かのサインだと感じた十津川たちはどのような行動に出たか。
表紙カバーに写っている富山の雄大な山々が随所に出てきて、読み進めていて清々しい。一方で事件自体は混迷を深めるのだが、十津川の見事な推理で進んでいくのは例に漏れず気持ちがよい。
ラストは、十津川の大岡裁き、ですな!どのように犯人を追い詰めるのか、ぜひ最後まで楽しみに読み進めていただきたい。
この本は、おそらく話の内容だけ考えれば、富山宇奈月殺人ルート、と言っても差し支えないのだろうが、富山地方鉄道の長距離かつ丁寧に地元貢献を果たしてきた役割への著者の最大の賛辞と言っても過言ではないだろう。
Posted by ブクログ
「富山地方鉄道殺人事件」を読んでみた。
で、西村京太郎と言えば……ドラマしか知らない。十津川刑事……の話?と思って読んでみたら、最初は全く出てこない。途中で出てきてやっと、十津川刑事の話だと分かった。
わー。すごーーい。電車の話が詳しく書かれてる。それ、知らなかった―っていうのまで、詳しく書かれてる。
特に観光列車の名前。。通ってるのは見てても、列車の名前は知らなかった。
最初は黒部の方ばかりでつまらないなーと思った。こっちこないのかなーと思っていたら、ちょっとだけ……ちらっとだけ出てきた。観光地の話も知らない事いっぱい。すごーい。すごーい。
お勉強になります。と、地元情報満載で満足。
ストーリーは……あまり好みではない。
政治家の話だし、トリックっぽいトリックでもないし。
ただ、最後の方で地鉄の一番小さい駅は??みたいなのものには笑えた。
結論「ほとんどが小さな駅ばかりでどの駅か分からない」と書いてあった。無人駅。待合室しかない木造づくり。そんな駅が、地鉄にはたくさんある。って、地方ならどこも、そんな感じじゃないのか――??
そしてラストは、とてもあっさりと終わってしまった。最初から犯人は決まっているので、『どうやってラストに持って行くのだろう』と思いながら読んでしまった。
時系列を読むだけみたいな小説。
物語は面白くはない。けど、情報満載なので満足。