あらすじ
千葉県柏市で6歳と4歳の姉弟が誘拐され、無惨な姿で発見された。犯人は死刑判決を受け、やがて刑は執行されたが、最後まで動機は不明だった。事件から22年後。東京都向島で凄惨な一家三人殺傷事件が発生する。殺害されたのはなんと柏の事件の……。共通する手口、戦慄の短歌、消えたM子。本当の鬼畜は誰なのか。虚実が複雑に絡みあい、逆転また逆転そして絶句。あなたは今度も騙される!(解説・前川裕)
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Posted by ブクログ
とても良く練り込んだ作品という印象。
虐待の家に一行だけでてきた『妹』にずっと違和感を持って読み進めていたが、なるほどと腑に落ちた。
この作者の作品はどれも巧妙に組み上げられていて読み応えがあります。
Posted by ブクログ
このシリーズは一年に一冊は読みたいので、読んでみた。
ルポタージュ形式で少しずつ少しずつ進んでいくため、探究心がくすぐられてすぐ読み終わりました。
今回も分からないことが多くずっとずっと不気味な雰囲気が続いていますし、何より背筋が凍るような事件が怖かったです。
事件の動機、各人物の正体、話の真相がとにかく気になって仕方なかったです。
↓以下ネタバレ含みます。
すみな(誘拐事件で殺された姉)がまさか生きていて、死刑囚の和歌を広めたりしていると知った時には、あぁ成程、成程…と今までの伏線、違和感が繋がって理解できました。
自力では全然回収しきれないので、考察を見てみると、死刑囚望月の10の和歌に隠された真のメッセージ(全て忘れて、すみな、生きろ)には、切なさと暖かさを感じました。こんな気持ちになるとは読む前には思ってなかったです。
他にも気づいてなかった真相が沢山あり、読み終わった後も楽しめる作品です。
Posted by ブクログ
長江さんの作品を読むのは、いやしの村滞在記、出版禁止に続き3作目。
どれも伏線が巧妙に張り巡らされていて面白い。
今回は、望月はどんだけ鬼畜なんだ!何の罪もない2人の子供を殺すなんて!と思っていたが、最後まで読み進めて涙が出てきた。
なんというか、やりきれない、本当に悲しいお話。
いじめは本当に人を無駄に不幸にする。
所々、ん?これどういうことだ?と引っかかったところ(子供は2人ですか?とか姉と妹が…のところとか)は後々ちゃんと繋がっており、そういうことだったのかと納得。
和歌に隠された謎は難しすぎて自力で解くことはできなかった。笑
このような悲しい一生を送る人が誰もいなくなることを願う…。。
Posted by ブクログ
ネタバレ
死刑囚の歌 考察
本文p328~p329の和歌の考察
『復讐は、終わった。命を断つことが、私の願い。これでようやく、今日香に会える』
『検証――22年目の真実』では復讐を示唆する内容が物名の形で入っているが、
本当は『全ては終わった。もう悔いは無き(無い)。命を断つ。私の願いと私の贖罪。復讐果てた、むなしい。悪魔に、打ち克った。憎しみの連鎖断ち切る。全部忘れて、君(=小椋須美奈)は生きろ。これでようやく着く、補陀落に。もうすぐ今日香に会える。』となり、望月の動機は復讐や憎しみの連鎖を、自分が罪を被ることによって断ち切ることだったことが分かる。
警戒して読んだが、騙された。特に、和歌の謎を解いた時、最後の伏線が回収されることに気づいた時には鳥肌が立った。
Posted by ブクログ
望月がとてつもなく冷酷な殺人鬼だと思ったらまさかの展開に
実際の事件のルポを読んでいるかのような構成も私には新鮮だった
死刑囚の短歌も、自力で解読しようと試みたけど無理でした笑
本当に鬼畜だったのはあいつだったとは
望月も娘を嘘のイジメ話をきっかけに亡くしたのは気の毒だけど、だからって罪を被るまでするのはちょっとやりすぎだと思ってしまった。