あらすじ
初の著作!
巻頭カラー8Pほか、秘蔵写真多数収録!
試練を乗り越え、頂点へ――。
東日本大震災、リオ五輪断念、遠征先での交通事故、眼窩底骨折による手術……。
変わる勇気で数々の苦難を克服して強くなる――。
著者は、以下のように述べています。
これまで、くじけそうになるたびに、多くの人たちに助けてもらった。つらい思いをするたびに、いままで気づかなかったことに気づくことができるようになった。
正直、処分を受ける前までの自分は、ちっちゃい人間だったと思う。でも、強い気持ち、覚悟を持つことで、ぼくは変わることができた。本気になれば、人は変わることができる。この本では、これまでのぼくの歩みを振り返りながら、桃田賢斗という人間が、どう変わってきたかを伝えられればと思う―――本文より
■目次
第一章 バドミントンとの出会い
〝スーパーマン〟賢斗/家のなかでヘアピンショット/野球はひとりじゃ勝てない/こざかしさを武器に/福島県富岡町へ/インドネシア人コーチとの出会い/スーパースターへの憧れ/恵まれた環境のなかで/15歳で全日本総合初出場/インドネシアへの武者修行
第二章 東日本大震災を経て
インドネシアで知った震災/帰国、そして不安の日々/新たな拠点、猪苗代町へ/地元の人たちに支えられて/全国大会での屈辱/憧れの田児賢一さんとの初対戦/日本人初の世界ジュニア優勝/田児さんと二度目の対戦
第三章 期待の星として
NTT東日本に入社/トマス杯優勝/怠惰な生活とギャンブル/変わるきっかけ/心を入れ替えて/世界のトップへ/全日本総合、スーパーシリーズファイナル初優勝「/派手な生活をしたい」の真意/5年ぶりに富岡へ/プロ野球始球式/リオオリンピックへの階段
第四章 復活までの日々
緊急帰国/温かく迎えてくれた家族/泣きそうになった父の言葉/練習再開/ひたすら走る/リー・チョンウェイの言葉/会社での初仕事で学んだこと/バドミントン教室/処分解除/1年ぶりの会見
第五章 復帰からの進化
緊張した復帰戦/涙の優勝/久しぶりの海外遠征/2年ぶりの全日本総合/日本A代表復帰/憧れのレジェンドに勝利/オリンピック金メダリストを倒しての優勝/けがを隠して臨んだ世界選手権/スーパースターと最大のライバルに勝利/感極まったジャパン・オープン/世界ランキング1位/3年ぶりの日本一/全英オープン初優勝/サッカーのトッププロ選手からの刺激/ジャパン・オープン、世界選手権2連覇/東京オリンピックへ
第六章 突如襲ってきた悪夢
最高のスタートから、突如襲ってきた悪夢/バドミントンはできますか?/事故からの帰国/シャトルが二重に/このまま引退してしまおうかな……/励まされた応援メッセージ/実家でリハビリの日々/自身初の金メダル宣言/東京オリンピック延期
終章 自分を変えるということ
頂点とどん底を経験して/周囲への思い/オリンピックへの思い/ぼくは走り続ける/もっと強くなるために/変わらないもの/自分を変えたい人へ
■著者プロフィール
桃田賢斗(ももた けんと)
1994年9月1日、香川県生まれ。
三豊市立吉津小学校2年からバドミントンを始める。
2007年、中高一貫のスポーツ強化を進める福島県双葉郡富岡町立富岡第一中学校に進学。
福島県立富岡高等学校3年の2012年に世界ジュニア選手権優勝。
2013年N T T東日本入社。2014年トマス杯(国別団体世界選手戦)優勝。
2018年9月、日本男子史上初めて世界ランキング1位となる。
2018、2019年世界選手権優勝。
2019年全英オープン優勝。
2015、2018~2020年全日本総合選手権優勝。
左利き。身長175cm、体重71kg。多彩な技術と、緻密なコントロール力で世界のトップに君臨する。
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Posted by ブクログ
元気をもらえました。
賭博の件、交通事故の件など
確かにご苦労も多く、
努力に対して賞賛致しますし、
素晴らしい結果に繋がっているかと思います。
そして、最後は、
昨年の全日本総合バドミントン選手権での優勝で締められていていましたが、
それを自分が直接見ていたことも、感嘆する要因であったのかもしれません。
P38 富岡のスローガン
・プレーを自由にやらせてもらえた半面、
日常生活の言動に対しては厳しかった。
挨拶しなかったり、練習中に声を
出さなかったりすると、めちゃめちゃ怒られた。
プレーだけうまくなっても
そこに人格が備わってないと
強くはなれない。
「 世界にはばたく人材の育成 」
P121
「 スポーツマンは、人として成長しないと
本当のトップにはなれないと思います 」
P188 周囲への思い
バドミントンは、ひとりではできない。
相手がいて、仲間がいて、教えてくれる人たち、
支えてくれる人たちがいて初めて
練習や試合ができる。
自分以外の人たちへの感謝の気持ちが大切。
P195 走ることの大切さ
例えば1日走るのをさぼったとしたら
あとでぼくは後悔し、焦るだろう。
ぼくがさぼっている間に、
多くの選手が僕よりももっと走っているかもしれない、
練習しているかもしれない。
毎日走った成果は、復帰後のプレーに大きく表れ、
スタミナがついて最後まで集中力が続く。
脚力がついて、フットワークのキレも増す。
身体全体の体幹が強くなり、打点も上がった。
フィジカル面の成長は、試合中の心の余裕に繋がり、
結果的に勝てるようになった。
P201 自分を変えたい人へ
「毎日の積み重ねが一瞬の奇跡を呼ぶ」イチロー
何かを成し遂げるには、
1日1日ひたすら地道に努力を積み重ねるしかない。
勇気と覚悟を持って取り組めば、
誰でも絶対に成長できる。
誰もがその可能性を秘めている。
Posted by ブクログ
桃田賢斗。
バドミントンをしてる人なら、この人は絶対に知っているだろう。
メンタルが強いんだろう。
そして、それを支える土台を見失うことなく、今に至れるのは、流石の一言。
とどまれるか、とどまれないかは自分次第。
自分次第は結局のところ、意志の強さ。だと思う。
Posted by ブクログ
類稀なる才能を持ちながら、自身で招いたこととはいえ賭博問題でのオリンピック出場取り消し、そこから更生して見事復活を遂げるも、今度は不慮の事故で選手生命の危機という、普通の選手ならば挫折してしまうほどの障害にぶつかってきた桃田選手の手記。
淡々と事実が述べられており、やはり高校社会人と天才の名を欲しいがままにした選手の奢り、慢心から足元を掬われた賭博問題や、そこから真摯に自分を見つめ直し、愚直に走り続け健康面に気を使った結果の復活という流れが見てとれた。
人間が壁にぶつかるのは、驕りや慢心といった物に支配された時で、その壁を乗り越えるのは愚直な努力であるという、ある種定理のようなストーリー。
マイナースポーツが故に、報道されきっていない彼の功績が理解できたことも良かった。是非次のオリンピックでは待望の男子バトミントンで金メダルを獲得して欲しい。
よく考えたら世界ランキング1位は相当にすごい。過去に問題はあったかもしれないが、彼はもっと世に出るべき人物だと思う。
Posted by ブクログ
スポーツ観戦に興味を失って久しいが、唯一観続けているのがバドミントンである。男子シングルスの世界ランキング1位、日本のエース桃田選手がメンタルの強化法について書いたハウトゥー本……ではなく、バドミントンを始めた頃から現在までを綴った自伝である。東日本大震災で母校を失い、リオ五輪直前の不祥事や東京五輪直前の事故など不運なイメージはあるが、逆境をチャンスに変えて世界ランク1位を勝ち取った。コートで躍動する姿を見るだけで元気になれる選手だ。
Posted by ブクログ
彼を知ったのは、例の事件だった。
この本は、バドミントンを通じ、どんな経歴を辿ってきたのか、その時々で感じたことを丁寧に伝えてくれていると思う。
彼の心の動きや変化などを等身大の言葉で語っているんじゃないかな。
周りが実力や才能があると感じるのは、その言葉に見合うだけの成績を残しているからで、そのポジションに自分を引き上げたのは、サポートしてくれる人達を含め、本人の努力であり葛藤であり、想いの強さではないだろうか。
その頂に立てるのは、ほんの一握り。
誰かではなく、自分が求めるもの、成し遂げたいもの、強く信じ進めた人が到達できる場所!
これからの活躍も応援していく!
頑張れ!桃田選手!