あらすじ
BLM運動をきっかけに、日本でもアメリカの警察官に対して疑問の声が高まっています。
本書は、在米作家が日本とはまるで違う常識で動いているアメリカの警察の「生の姿」を徹底的にリポートします。
・連邦の警察と州の警察は何が違うのか?
・アメリカではお金を払えば警察官になれる?
・司法取引とは何か?
・映画によく出てくる「保安官」の役割は?
・警察官は本当に人種差別している?
など、多くの日本人が持つ疑問に答える形で、アメリカの警察、そしてアメリカ社会の実態を知ることができる一冊です。
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Posted by ブクログ
冷泉氏はアメリカ在住のジャーナリスト。主にメルマガでその記事を追いかけてきたが、今回、トランプ本以来の書籍購入。日本の記者と呼ばれる人々は安定した会社員という地位と高給を求めているだけで、ジャーナリストではない。使えない高給取りの典型。冷泉氏の記事には、俯瞰と細部と利用法があり、たいへん役立つ。今回の書籍もあまり期待して購入したわけではないが、タイトルの事実に驚愕。国が変われば、制度も変わる。当たり前のことを認識を新たにした。それぞれが歴史を持って現在の姿があり、矜恃もあるのだろう。
Posted by ブクログ
アメリカの警察組織は日本以上に複雑である。日本の場合、ただ一つ国の警察しかない。それに対してアメリカでは1万を超す警察組織がある。全国の市町村に独立した自治体警察、またそれとは別の州警察、さらに州によるが自治体と州の中間の郡警察がある。アメリカの警察としてFBIが有名であるが、この組織は上記にあげたもの異なり、国(連邦)レベルの警察、つまり完全に独立した警察組織である。このように日本とアメリカでは同じ警察といっても、組織の性質や関係が違う。
加えて、アメリカには保安官(シェリフ)と呼ばれる独自の組織が存在する。これは西部開拓時代からあり、公選制の導入、制服や車が警察とは別物であるなど、警察組織にはない特徴を持つ。ちなみに、先ほどあげたFBIの歴史は意外にも浅く、前身の組織NBCIが1896年、BOIが1908年、その後1935年FBIと改編される。連邦警察にはATFやDEAなどがあるが、いずれもFBIのあとにできた組織である。以上から、連邦警察は保安官と比べて歴史が短いことがわかる。
FBIの長官としてジョン・エドガー・フーバーが有名である。フーバーは第二次世界大戦が近づくと、敵国スパイの摘発、また第二次世界大戦後の赤狩りに加担する。さらに政府の舞台に介入して、大統領の秘密を握るなど、フーバーは亡くなるまでアメリカを裏で操った。このようにアメリカの警察は各組織で独自の文化、習慣を保持している。
Posted by ブクログ
アメリカの警察機構ってどうなっているのだろう?ポリスの他にシェリフという人もいるし…と思っていましたが、日本人向けにそれを解説してくれる本が出ましたので早速に読んでみた次第ですが、結構目から鱗でした。国家公安委員会、警察庁を頂点とした一体とした組織である日本の警察機構組織とは、アメリカの警察はかなり…全く異なるのですねぇ…驚き。