あらすじ
不朽の名作「源氏物語」は実は未完であり、秘された最後の一帖は時の最高権力者を窮地に陥れる物語ではないか。生前の紫式部が存在を秘して没した「五十五帖」とは果たして……宮中の陰謀に物語が切り結ぶ時をスリリングに描き、多くの書評に取り上げられた昨年の第11回日経小説大賞受賞作『新・紫式部日記』には続編があった。「源氏物語」に残された最大の謎という大胆不敵なフィクションである。主人公は菅原孝標女(作中では、更級)。藤原道長から「五十五帖」の探索を命じられるが、同行を命じられるのが宮中に仕えていた紫式部の娘、賢子。田舎育ちで父から与えられる物語に耽溺して成長した更級と、物語づくりに忙しい母にかまってもらえなかった賢子が幻の「源氏物語」を探していく過程で、紫式部がどういう人間であったか、「源氏物語」はいったいどのような物語であったかが浮き彫りにされていく。豊かな学識から紡ぎ出された“古典文学ミステリー”の秀作である。
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Posted by ブクログ
道長の命令で菅原孝標女と賢子が幻の源氏物語第五十五帖を探しに遠く旅をする探索ミステリーです。本が好きな人や本作りに関わる人なら必ず楽しめるパートがありました。タイトルからして歴史離れした創作小説であることを全力アピールしているので、史実と合わないといった野暮な足の引っ張りはなしです。
Posted by ブクログ
源氏物語を読んだことがないが内容が分からなくても面白く読むことができる。軽めの小説なので平安時代初心者向けでもっと深く知りたいと思う内容だった
Posted by ブクログ
源氏物語五十五帖をめぐるミステリー。
菅原孝標女・更級の父は、石山寺僧都殺害のかどで捉えられてしまう。父の無実を道長に訴える更級は、父を助ける代わりに「源氏物語最後の一帖の捜索を命じられる。同行するように命じられた女房は、紫式部の娘・賢子。田舎で父が与える物語に耽溺して育った更級と、都育ちで忙しい母に構ってもらえなかった賢子。道長の子でありながら庶子の能信は、
藤原定子と一条天皇の娘・一品宮の命で信州に旅する二人を助ける。三人は危ない目に遭いつつ、ついに物語を発見するが、そこに書かれていたのは道長には見せられないような内容だった。しかし、持って帰らねば孝標を救うことはできない。3人はどうする・・・?
テンポよく話が進む。
この時代のことを知っていると理解しやすい。