あらすじ
大人気ロックバンド公式ノンフィクション。
メジャーデビューから瞬く間に「大人の知らない社会現象」と呼ばれるほどの大ヒットを記録し、カリスマ的人気を獲得したRADWIMPS。
ボーカル野田洋次郎の圧倒的な才能と「すごいバンドになりたい」という強い思いはバンド内に亀裂を生じさせ、メンバーの脱退騒動なども勃発。四人は関係性を更新しながら傑作を生み出していった。
RADWIMPSというバンドは、ひと時も同じ場所にいることを許されないのだ。
東日本大震災、ドラマー山口智史の無期限の活動休止という大きな喪失を経験するとともに、洋次郎のソロプロジェクト、俳優デビュー、企業との大型タイアップ、そしてメンバーの結婚などの新たな出来事によって、密室に閉じこもるように音楽を作り続けていたバンドは、少しずつ社会性を獲得していく。
そこで待っていたのが新海誠監督との出会い。
映画『君の名は。』の音楽を担当し、主題歌「前前前世」が真の社会現象となるのと機を同じくして、バンドは、メンバーは、大きく鮮やかに“開花”するのだった。
本書は一つのロックバンドを巡る知られざるストーリーでありながら、人間が他者との出会いや衝突、別離を繰り返すことで、苦悩にまみれながらも成熟していく様を描いた普遍的な物語である。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
哲史休止のお知らせを読んだときのことを思い出した。大学の部活帰りの電車の中で、吊り革持って立ったまま涙が止まらなかった。つらすぎてなかなか受け入れるというか消化というか呑み込めなかった。メンバーやスタッフの方の中でどういう経緯があったのか、改めて知ることができた。ナベさんの手によって解かれていく、いろんな愛に溢れた本だった。もちろん哲史の話だけじゃない。都度都度いろんな壁(なんて簡単な言葉で済ませられないけど)があって、ひとつひとつ乗り越えて、だからこそ今もRADWIMPSは活動していて。本当にすべにありがとう。
Posted by ブクログ
RADWIMPSメジャーデビュー後の、最大の転換期が詰まったところ。アルトコロニー、絶体絶命、3.11、ソロプロジェクト、智史の活動中止、君の名は、人間開花。
念願かなった私のRAD初ライブ。あのステージの裏側には、想像以上にキツいときやったみたい…メンバーの葛藤と覚悟、裏側の動きがめちゃくちゃリアル。
RADWIMPSの音楽を今もずっと聴けること、本当に奇跡だなぁと思う…本当に感謝だし、追えて幸せ。
最後の武田の寄稿も、泣いちゃった…
Posted by ブクログ
苦悩も喜びも怒りも全てが詰め込まれたバンド、RADWIMPS。本作は下巻となっており、「人生出会い編」の続きとなっている。話はJ-Rockの金字塔アルバム、「アルトコロニーの定理」を作り終え次作に向かっていくところから、2017年のHuman Bloom Tour完走までが描かれている。
前回の感想にも書いたかもしれないが、音楽で無尽蔵に自身の思い、考え、言葉を表現する創作姿勢は洋次郎だからできることであると思う。特に2011年、「絶体絶命」を堂々発売した2日後あの3.11が起きる。当時禁句となってしまいそうなこのアルバムは14年を経てなお僕の頭に鳴り響き続いている。
地獄のような制作が報われないかもしれない、にも関わらず彼らは誰かのために何か出来ないかのみを考え動いた。Itoshikiの活動がそうである。この世界に起きる明暗をひとつ残らず見るふりをしないで直視する。それが彼らの音楽である。
僕もバンドをやっている。夢は僕らの歌を名も知らない大勢の誰かがしがらみなく歌っている景色を見ることだ。
そして僕の憧れのバンドは
RADWIMPS