あらすじ
RADWIMPS初の公式ノンフィクション。
「本当のことじゃないと、届かない」と洋次郎は度々語っていた。
でもこんなに何でも赤裸々に歌ってしまって、大丈夫なんだろうか?
レコード会社の社員として「化け物みたいに圧倒的なアーティスト」を探していた著者は、CDショップの試聴機で横浜の高校生バンドと出会う。
イントロもなく突然始まった歌を聴いた瞬間、新しい風が吹いてきたように感じた。
「ついに見つけた! ここにいたのか!やっと出会えた!」
10代の少年だった彼らは、2006年に発売されたメジャーデビューアルバム『RADWIMPS 3 無人島に持っていき忘れた一枚』、『RADWIMPS 4 おかずのごはん』の2枚で熱狂的なファンを獲得。「大人が知らない社会現象」を巻き起こすことに。一方で表現者として恐るべきスピードで進化を遂げていく野田洋次郎とメンバーとの間には見えない亀裂が生まれ、名曲が誕生するごとにドラマが起こっていた。
“すごいバンド”になるために、変わり続けることを選んだ4人の若者達の歓喜と苦悩の日々。すべてを見守っていた著者が克明に描いた公式ノンフィクション。
巻末には野田洋次郎による書き下ろし原稿を掲載。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作品の中にでてくる歌をその都度聴きながら読むことでさまざまなメンバー内での葛藤や、洋次郎の想いなどがひしひしと伝わってきた。初めて知ったことが多くて、また一つRADWIMPSが好きになりました
Posted by ブクログ
俺色スカイの話、桑の脱退騒動の話、知らないことがたくさん知れて本当に面白かった。
me me sheのミュージックビデオ洋次郎の本当の彼女だったんだ。
Posted by ブクログ
これまでミュージシャンのドキュメンタリー本を読んだことがなかったので、とても新鮮でした。自分の青春時代をなぞっているみたいで、時に懐かしく、時に胸が熱くなりながら読み進めました。RADのこれまでがナベさん目線で書かれているんですが、とても生々しく、リアルに描かれています。
Posted by ブクログ
RADWIMPSの発生からアルトコロニーの定理の発売までを書いた本著「人生 出会い編」、ファン必読である。
RADWIMPSの苦悩と成功、喜びが第三者の視点からありありと描かれており特に洋次郎の歌に向かう姿勢にはただ尊敬と畏怖の感情が巻き起こる。
バンドを続ける難しさ、人に求め、自分を刺す辛さ。エゴと協調のバランス。RADWIMPSが駆け抜けた本当の青春時代の情景描写。
全てを書ききってしまい歌ってしまい、恥部をさらけ出すような洋次郎。彼は憧れであり僕が出会わなくちゃいけない人。
下巻の「人間開花」編も非常に楽しみである。
Posted by ブクログ
中学2年生の夏に聴いたRADWIMPSの「ふたりごと」の衝撃や感動は、今でも色褪せない。
19歳。ついさっきまで高校生だったRADWIMPSの4人が、良き伴侶的存在のマネージャーなべさんに出会い、「僕」と「君」の一対一の世界を表現し続けた青春の日々、製作の苦悩と大人へなる過程が綴られている。RADWIMPSとマネージャーなべさんの出逢いの話。
なべさんの恋ですね、これは。
ピチピチして、作為や打算のない、真っ直ぐできれいな音楽。タイトルも曲も感情のすべてが入りきらず、溢れて零れ落ちている。やっと理想のアーティストに出会えた!
僕がもしもRADWIMPSと仕事をする幸運に恵まれたら。。
でも他のレコード会社と契約していたらどうしよう。。 と希望と妄想を膨らませる姿は、恋そのもの。
RADWIMPSは表現者としての「業」を背負い、傷つきながらも何かを生み出そうともがき続けてきた。「僕」と「君」の一対一の世界を究極まで突き詰めた結果、RADWIMPS4~おかずのごはん~という頂点に達したのだ。洋次郎の恋は終わり、「大切な彼女に好きだと叫ぶ装置」としてのRADWIMPSは役目を終えた。
それでもなお、「地上で唯一出会える神様」を失った後も、「自分」や「世界」に向き合い、次の段階へと進む。この進化の先にあるのは、モネの「睡蓮」のような、百年後も残るアルバムを作るという決意である。その過程で多くの葛藤や傷つきがあったが、結果として「バンドを諦めない」という夢が打ち砕かれる中、アルバム『アルトコロニーの定理』が生まれた。
少年だった4人は大人になり、一度変質したものは元には戻らない。それでも新しい形を模索し、進化を続ける姿が、RADWIMPSの本質を物語っている。
1曲1曲、1アルバム1アルバムを聴き返しながら、その背後にある想いや苦労、葛藤を感じ取ることをお勧めしたい。