あらすじ
2016年から1年をかけて、東北学院大学の金菱清教授のゼミ生たちが被災地で集めた「夢」の証言集。母の遺体を抱きしめられなかったと悲しむ女性の夢、「行くなー」と叫んでも声が出ない夢を100回以上も見るという高校生の話など。
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Posted by ブクログ
遺族にとって「夢で会う」ということは、唯一生の世界と死の世界を繋いでくれる手段
急に大切な人を奪われた遺族はそこでしか会えない
その事実が余計に胸をえぐられる
史実としての3.11は見たり聞いたりするけど、これほど遺族の方の内面を目の当たりにすることってなかなかない
金菱さんが裏方に周り、大学生にこれをやり遂げさせたところに感心する
Posted by ブクログ
胸が締め付けられる。辛い経験を学生に話すということは、若い学生さんだろうけど、それだけきちんと相手に向き合ったということだろうと思った。夢でも会えると悲しくて辛くて嬉しい。そうやって少しづつ生きていくのだろうな
Posted by ブクログ
夢のインタビュー集
ゼミ生が被災者の方々にインタビューし、夢を聞いて行く流れだが、震災について、大切な人を亡くすことについて、後悔や無念、日々の生活のこと、夢について聞くことで様々な角度から浮き彫りにしていて、やるせない気持ちと同時に、夢で亡くなった人と繋がる、時間を共有することについて考えさせられた。
今まで読んできた本でなかった形式で、生死について考えることが多い本だった。
絆も考えるきっかけになる。
Posted by ブクログ
金菱清『私の夢まで、会いに来てくれた 3.11 亡き人とのそれから』朝日文庫。
東北学院大学の金菱清教授とゼミ生たちが1年間に亘り、東日本大震災の被災地を巡り、震災体験による『夢』の証言を集めたノンフィクション。
あの未曾有の東日本大震災の大津波で自分が生き残ったことへの贖罪の意識、親族や友人を助けられなかったことの悔しさ、悲しみ、後悔。様々な思いが証言の中から窺える。亡くなった人から夢の中で励まされたり、怒られたり、読んでいく内にあの日のことが思い出され、胸が締め付けられた。
自分自身、良く知る陸前高田市や気仙沼市、階上、本吉、南三陸の津波被害の状況を目にした時、毎晩のように夢の中でうなされたものだ。およそ1年間は苦しんでいたと思う。特に階上や本吉は毎週末に通っていた場所であり、以前の街や海辺の風景を見ることが出来ないのは物凄く悲しいし、復興した今の風景を目にするのも苦しい。
本体価格680円
★★★★★