【感想・ネタバレ】ホレンテ島の魔法使い 1巻のレビュー

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Posted by ブクログ

良い意味で予想を大規模に裏切られる作品だった!
「かつて魔法使いが住んでいた島」という触れ込みで始まるきらら作品なら、登場するメインの女の子達は魔法使いだろうと想像して読み始め、実際に半分程度はそのとおりだった。
そういった意味ではあまり驚くような要素のない日常系なのかと思っていたものだから「ざんねん坂」が登場してからの展開には完全に度肝を抜かれてしまったよ!
「ざんねん坂」によって仕切られるホレンテ島。本作の舞台は表と裏が明確に存在する世界観なのだと判るね

主人公であるあむは魔法使いに夢見る女の子。その割には帽子屋の店主が猫であることにすぐには気付かなかったり、友人達の秘密にも気付かない。あむが見ているのは物語の表側
対してあむと一緒になって魔法使い探しをするかるてが見ているのは物語の裏側。念じるだけで物を動かせるかるてはホレンテ島に潜む秘密を探ろうとしている
2人は魔法使いを探すという意味では同じものを探している筈なのに見ているものは全くの別物。
それによって作品を2つの方向から楽しめるようになっているね

それにしても本作は音声媒体で楽しみたくなる程に小気味良い台詞回しが続いたり、歌唱シーンが登場したりしているね
かるての部屋であむ達が突然歌い出した時は何事かと思ったけど、最終的にはそれぞれの賑やかな歌がホレンテ島の表と裏を近づける魔法となる

本作において、魔法とはファンタジー世界のような魔法も有りつつ、本質的には人々に夢を与える存在として描かれている
だから魔法使いは何も本当に不思議な能力を持つかるてや詠だけが該当するのではなく、ホレンテ島の観光業を盛り上げるために夢を振りまこうとしたあむの行為も魔法に近づくんだよね
それが最終的にあのような魔法の舞台を作り上げたわけだ

もしかしたら、本作は今後の展開によっては大きく化ける作品になるかも知れないと思わせる第1巻でしたよ

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2021年03月17日

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