【感想・ネタバレ】問題がありますのレビュー

あらすじ

「私の一生の中で大連の昭和20年8月15日より青い空はない。生徒の前に先生が一列に並んでいた、異様な空気だった」、中国で迎えた終戦の記憶から極貧の美大生時代まで。夫婦の恐るべき実像から何の役にも立たないとわかっているけれど読まずにいられない本の話まで。「卵、産んじゃった」などの単行本未収録作を新たに加えた、愛と笑いがたっぷり詰まった極上エッセイ集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

絵本の作者としか知らず、なんとなくエッセイが読みたくなって買った1冊。
とんでもなく面白くて、なぜこの人のエッセイを今まで知らなかったのだろうと後悔した。
戦中、戦後、高度経済成長期を経ていくなかの記憶が、些細な1部なのだろうが佐野洋子さんが書くと一粒のちいさな宝石みたいに輝いている。いや、恐らく佐野さんは日常から宝石を発掘するのが上手い人なんだろうなと思う。

特に月の話が好きだ。人類が月へ行ったことへの憤り方も笑ってしまうほど面白いのだが、月は過去を思い出すものだ、というのに付随する彼女の月があった日々の記憶の数々はまるで同じ光景を見ているかのように染み入ってくる。
と思えば、最後の話ではなぜか延々と大便の話で、立派な便のときはそれで「あいうえお」を全て書こうとした話なんかもあり、なんでこんな面白い人を知らずに過ごしていたのか悔しくなるほどだった。後半のご病気のときの便については、あまりの状態に心配になるのだが、やけに詳細な描写に読んでる方も脱力するというか、笑いそうになりなんだか口がモニョモニョしてしまう。
他のエッセイも読みたくて、今からもう楽しみになっている。

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2024年08月28日

Posted by ブクログ

彼女と同じように『黒い心』を持った人であれば、どの一話からも深い感銘を受けるだろう。私の母も良く『百万回生きた猫』を朗読し、涙を流していた。そんな彼女も母からの愛に飢えていた。素直になれない人の素直な気持ちを代弁してくれるのだから、文章でも偉大な作家だったのだな。

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2013年03月17日

Posted by ブクログ

読んだことあるものもあったけれど、これでそろそろもう佐野さんの文章が読めないと思うと悲しい。長嶋有のあとがきも良かった。

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2012年11月07日

Posted by ブクログ

角田光代さんの本で触れられていたので読んでみた。角田さんが言うようにすごかった。本音のオンパレード。ずばずばと書かれていて、思わず笑ってしまう。でもご本人はただ思ったことを書いただけ、というお茶目さもあって憎めない。ほかのエッセイも読んでみようと思う。

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2020年10月15日

Posted by ブクログ

飾らない文章が良かった。
絵本で書いていることをエッセイでひけらかしたり解説や説明をしたりしないところが素敵。

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2014年02月22日

Posted by ブクログ

この前読んだエッセイが面白かったのでまた。
切り口の小気味良さ。
年齢と世代とのギャップは勿論感じながらも、それを文章にじゃんと表してくれているのが面白く、また有難い。
フラットさとユニークさは、嫌味がなくて気持ちいい。

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2023年02月26日

Posted by ブクログ

著者は馬鹿が付くくらい正直者で、信じられないくらい善良で、謙虚過ぎるくらい謙虚なのだ。更に明晰で冷静。何冊か読んできて、漸く著者に惹かれる理由と著者の文章の魅力に気付いた。ご存命の内に気付きたかった。

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2013年02月15日

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