あらすじ
アスタルト王国の錬金術師テレサとエミリアはセフィラ教会の聖地《水銀塔》へ赴いた。《始まりの錬金術師》の遺産が眠り“神隠し”の噂が囁かれる塔にはバアル帝国の錬金術師ニコラ、教会聖騎士団や巡礼者らが集っていた。だが突然の嵐で塔は孤絶。聖騎士が首無し死体で発見され次々と犠牲が……シリーズ第2弾
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Posted by ブクログ
錬金術×ミステリーのシリーズ第2弾。
今作もミステリーとして、そして、錬金術ファンタジーとしても面白かった。
首無し死体の連続殺人犯、ニコラ・フラメルの説に納得していたのですが、テレサが暴いた真犯人はまさかの人物。すっかり著者にやられました!
天に輝く一番星《ニビル》も、まさかでしたね。これからのストーリー展開が楽しみです。
今回、登場したバアル帝国のニコラ・フラメルとシャルロッテ・アイゼナッハの2人組もいい味だしてるので、レギュラー出演してほしいです。
Posted by ブクログ
前作の「錬金術師の密室」の興奮も醒めやらぬ中、つい最近続編が出たと知り、速攻で書店で買ってきたものです。
本作の舞台は、世界で唯一の現存する神秘であり、《神の子》が建造し、《始まりの錬金術師》が住み着いたと言われる聖地で、表面が液体水銀で覆われた奇跡の塔《水銀塔》。
そして「共犯」コンビのテレサとエミリアが挑むのは、そこで起きた連続殺人事件の謎です。
いわゆる館〜クローズド・サークル〜もので、巻頭の水銀塔見取り図を見た時からワクワクしてしまいました。
錬金術師ニコラ・フラメルやエミリアの学友シャルロッテなど新キャラも登場。
事件の影に彼ら二人の過去へとつながる因縁が垣間見え、物語世界の根幹を揺るがすような事実が明かされたところでジ・エンドという悶絶もののラスト❗️
この続きを読むまではコロナに負けてなどいられません。
Posted by ブクログ
前作に続いて面白い…
先が気になって一気に読んでしまうほど面白い
水銀製の奇妙な塔で起こった殺人事件
これの解決に奔走するテレサとエミリア
今回は二人の秘密が暴かれた後の話になっているので
ところどころ錬金術が使われているのが面白くて興味深い
人間関係や錬金の秘密
そして水銀塔が作られた理由
などなど謎はスッキリ解明されても
またもやの大きな秘密を投下され、驚かされる最後
読んでいて全く飽きのこない展開に
もっと読んでいたいとさえ思ってしまう…
とっても満足感溢れる一冊
Posted by ブクログ
水銀の塔の用途が、最初から書かれていた「目」だった、ていうのがとてもよかった。
そして最後…ずいぶんSFな展開…
これ続くんですよね??
この世界観の中でふつうに(?)密室殺人の謎解きしてるのかなり好きなので続いてほしい。
キャラ造形も前作よりはっきりしてきてよかった。エミリアの外見描写がないので、勝手に黒髪メガネを想像して読んでる。表紙イラスト見たら全然違うし、テレサが黒髪だから、同じ黒髪ではないだろうけど。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目
錬金術が存在する世界観でのミステリ
前作同様に、事前に錬金術でできることやその他の条件など提示されているので、特殊設定ミステリとしてフェアだと思う
今回はクローズドサークルの館もの(塔だけど)
「神の子」が建造し「始まりの錬金術師」が住み着いたとされる、表面が液体水銀で覆われた奇跡の塔「水銀塔」
第五神秘の解明に繋がる資料があるとの情報を受けて派遣されたテレサとエミリア
そして、教会関係者、聖騎士、帝国の錬金術師、巡礼者との邂逅
セフィラ教会の聖地で王国と帝国の間を流る川の中州に建つため、嵐による川の増水で陸の「孤塔」となった水銀塔で起こる、連続首なし死体事件
犯人の動機、目的、方法、そして塔の存在意義とは?
塔の仕組みや仕掛けとその目的の前フリなど、最後まで読めばちゃんと事前に説明されていたのがわかる
「回転する床」は「森博嗣のアレっぽいなー」と思ってたけど
事件そのものではなく、枠外の謎が後々明かされるという物語の構造がより森博嗣っぽく感じた
塔の仕掛けが事件に関係してるのは予想がつくけど、塔が「何のために作られたのか?」という目的の実態と新たな発見と謎という終盤の展開に驚かされる
続編が物凄く待ち遠しい存在になってしまったじゃないか
錬金術に関しては、相変わらず史実の人物名が登場する
ヘルメス・トリスメギストス、アルベルトゥス・マグヌス、ニコラ・フラメルとかね あと、ゾシモスもそう
ニコラス・フラメルはハリーポッターでも名前が出てきてたし、賢者の石といえばこの人という世界的な認知は得られているのではなかろうか?
作中で錬金術師とされている人は史実でも同じ名前の人がいるけど、フェルディナンドに関係する錬金術師って思い当たらないなぁ
私はメジャーな人たちしか知らないので何とも言えないけど、もしかしてフェルディナンドも本当の錬金術師じゃなかったりするんだろうか?
森博嗣の真賀田さんみたいに続編で再登場しそうな気がするんだよなぁ
Posted by ブクログ
前作も好きだったので続編も読んでみることに。
キャラクター小説としても楽しめ、ミステリの要素もたっぷりつめられていたので大満足。特に水銀の塔にまつわる謎が面白かった。次作からはもっとSF色が濃くなるのか? 期待して待ちたい。
Posted by ブクログ
カタカナの名前は覚えにくいのでメモを取りながら読んだが、ニコラ・フラメルとテレサ・パラケルススの推理合戦が火花を散らす展開で、448ページだったが3日ほどで読破できた.錬金術師と変成術師の葛藤、舞台となった水銀塔の管理者たち、教会関係の聖騎士たち、更には巡礼者たちが入り乱れたなかで、首なし死体が3つも発生し、ニコラとテレサが中心になって調査する.当初はニコラが優勢で、水銀塔の管理者に疑いを抱いたが、テレサの相棒エミリアの活躍やエミリアの古い友人の支援で真犯人を突き止める.最後に出てきたエミリアとシャルロッテのエピソードにはほっとする感覚が得られて良かった.それにしても、このような奇想天外な物語を創造する作者は素晴らしいと感じた.
Posted by ブクログ
今回の舞台は水銀でできた塔。そこでの密室殺人。
異端狩りを追うテレサとエミリオ。
敵国の錬金術師ニコル。
どうやって密室で殺人を起こすことができたのか?
遺体から首が切り取られていた意味は?
ある意味凄い設定の嵐の山荘でしたぁ。
面白かったなぁ。続きが楽しみ♪
Posted by ブクログ
――
これこれ。これだよ…こうでなくては! ひっっっさしぶりに帯文と感想がマッチしたわ。
シリーズ二作目にして、陸の孤島/嵐の山荘もの。これはよくある構想自体はこっちが一作目、というやつかしら。
錬金術、というファンタジーな部分をフルに活かしたこの水銀塔という舞台装置が、このミステリの核心でもあり“ミソ”でもあって、
まぁ逆に云うとそれを素直に受け入れられるかどうかによって評価は分かれるんだろうなぁ。
これは漫才ではない論争と同じようなものである。
受け入れ、超えていくこと。それこそが、とまでは云わないけれど、そういう知性もある。
タイトルに関しては、前作『密室』と比べると少し、ドンズバ感はなくなったかと思ったけれど――たとえば塔そのものが消えるような、大掛かりな消失トリックとか期待してた――、よく考えてみると『消失』をキーワードにするだけでも概ねこの謎は解けると思うので、やっぱり納得である。ハルヒみたいだよね…
いや、でも実際最後には、意味合い的に“塔”も『消失』しているからいいのかな? ちなみに私はその、塔が塔でない、という部分から解答へ登攀しました。こんなに、どう解いたかを話し合いたいミステリもなかなかないやね…! 思いの外高速展開で核心へ迫るのかしら? 期待のシリーズです。☆4.2