【感想・ネタバレ】超解読! はじめてのヘーゲル『法の哲学』のレビュー

あらすじ

『精神現象学』と並ぶヘーゲルの代表作、超解読ついに完成。難解な「ヘーゲル語」をかみ砕き、近代社会の「原理」の書として読み直す。
予備知識なしに、重要哲学書がわかる「超解読」シリーズ!
所有、契約、責任、犯罪と刑罰ーー社会の基礎をなすさまざまなルールは、どのような根拠があれば「正しい」と言えるのか? そして「よき」社会、「よき」国家とは? まさにわたしたちが今生きている世界の「原理」を考える。
ヨーロッパ哲学史上、最も重要にして最も難解なヘーゲルの主著を、おなじみのコンビがわかりやすく読み砕く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

難解なヘーゲルの『法の哲学』の解説書。解説してもなお抽象的ですぐに理解できる箇所ばかりではないが、部分部分で解説コメントが入っており、挫折しないように工夫されている。
『法の哲学』の最も重要な起点は、人間が欲するものの本質は「自由」であるという点である。自由といっても、欲求のままに行動するということではなく、より高次の幸福を実現するために普遍化を続け、より普遍的な善いものを追求することこそが「自由」とされている。普遍化を続けることは、やがて市民社会や国家を生み、法や国家は、個々人の自由を相互に実現させるべきものであるとされている。
国家の一体性が非常に強調されているので、国家主義的なものを想起させる面もあるが、国家の存在意義を宗教的な説明に頼らず、自由や福祉の実現という事柄で説明していることは間違いなく歴史的偉業である。
また、ヘーゲルは家族、市民社会、職業団体、国家と順を追って説明しており、説得力がある。「自分=家族」などと小さい単位での一体性の説明はイメージしやすく、その延長線上で国家が語られているので、納得できる部分が多々あった。

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2025年06月10日

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