【感想・ネタバレ】みどりのゆびのレビュー

あらすじ

裕福に暮らすチト少年.お父さんが兵器を作る人だったことを知り,驚きます.じぶんが不思議な〈みどりのゆび〉をもっていることに気づいた少年は,町じゅうに花を咲かせます.チトってだれ?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

友人が「読む?」と
おー、懐かしい
岩波少年文庫
この文庫は大切にしなければ!

『裕福に暮らすチト少年.お父さんが兵器を作る人だったことを知り,驚きます.じぶんが不思議な〈みどりのゆび〉をもっていることに気づいた少年は,町じゅうに花を咲かせます.チトってだれ?』

第二次世界大戦に出征したフランスの作者
レジスタンスをよびかけた
歴史小説家でもあり、政治家でもある

昔のお話しだけど
昔話ではないよね
かなしいことに……

チトのラストは静かで切なく温かい

平和って?

今も是非読んでほしいお話しです
大人にも!

≪ このゆびで せんそうのない せかいへと ≫

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2025年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みとりのゆび、グリーンサム。
チトは一体何者なのか?
終わり方だけ謎だった。
それで終わってしまうなら、物語というよりは聖書に登場する天使だ。
本当に天使だったのか??

刑務所にも花を、貧乏街にも花を、病院にも花を、戦争を花で止める、鉄砲工場は花の工場に変わる。心に残る良い話だったが、綺麗事ではある。

実際は、刑務所に花が咲いても罪人の罪は変わらないし人によっては性根も変わらない。
貧乏街も花を商売にはするだろうが、家を建てられるほど稼げない。花を食べてしまうかも。
病院はまだ良いかもしれない。ただ衛生面の心配と、花の管理が大変そうだが。すぐ枯れそう。

しかし人として、理想としては、チトやチトを取り巻く人達のような考え方(古い考え方にこだわらない)を心の片隅でもいいから維持し続けたい。本当なら心の全てをこの考えで満たした純粋な生き方をしてみたいが、この現実社会では無理だ。

チトは美しい両親かつ金持ちの家に生まれ、チト自身も見た目美しく、学校は強制されず、夫婦仲も悪くなく、寛容な心を持っている。この環境もまた天国すぎる。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

花を咲かせる力を持った少年チト。彼が蒔いた種とは。

花を咲かせる「みどりのゆび」を持った少年チト。兵器工場を営む父と美しく優しい母ももとで何不自由なく育った。囚人が押し込められている刑務所に、貧しい人たちが劣悪な環境に暮らす地域に、生きる希望を持てない人がいる病院に、遠くから連れてこられた動物たちがいる動物園に、次々とチトは花を咲かせていく。ある日戦争について聞いたチトは、戦争を無くす方法を考えた。それは兵器に花を咲かせて使えなくしてしまうこと。その計画はうまくいったが、そのせいで父の工場は注文を失ってしまう。勇気を持って自分がしたことを告げたチトに対して、父は方向転換を決心し、それからは花を作る工場に変わって平和を推し進めていくようになる。

タイトルとあらすじは知っていても読んでみると違った印象を受けた。兵器をダメにしたチトに対して、父や工場の者が辛く当たり、大人はわかっていない、という展開になるのかと思っていた。しかし、大人たちはチトの行動を真剣に受け止めて、自分たちの行動を変化させた。これは作者が第二次世界大戦に出征し、レジスタンスを呼びかけた経験があったからかと思う。行動するのは自分たちで、考えを変えるのは今だと。命も祖国も奪う戦争を誰も望まないのに、戦争が終わらないのは、終わらないと思って行動しないからだと。

決断力のある実業家の「おとうさん」の描かれ方にこそ、この作者の理想の大人(もしくはリーダー像)が現れていると感じた。また「チトは天使だった」という人智を超えた存在が変化を促した、という結論に、人が変わることの難しさを示す、あまりにも夢のような理想も感じた。子ども向けの童話であるが、ロマンティックなようで突き放した読後感は、後書きで触れられていた『星の王子さま』との共通している。

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2024年06月18日

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