【感想・ネタバレ】元彼の遺言状のレビュー

あらすじ

第19回『このミステリーがすごい! 』大賞 大賞受賞作
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」――奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー!

シリーズ累計48万部突破!
テレビ・新聞・雑誌・WEBニュースほか各メディアで話題

(あらすじ)
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺書が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。

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ネタバレ 購入済み

スッキリした

久しぶりに気持ちよく読めた。
いろんな伏線の回収の仕方が見事だなと思った。
主人公が最初はきついなぁ〜と思っていても、読み終えるととても好きになってしまうような人物像でもう一度読みたくなった。
ずっと気になっていた小説だったけど購入して正解だった。

1
2021年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「このミス」大賞受賞作品。
この賞って新人賞だと初めて知った。

麗子の拝金主義がキャラ立っている。

なぞの意外性とつかみはGood。

犯人の第二殺人→第三殺人未遂の動機が弱い。サンクコストでそこまで狂人化するほど、サイコキャラではない印象。

当時現職弁護士の作品として、法律に関する謎解きは説得力がある。

というところで、移動中に一気読みできるほどにライトで続きを気にならせるリーダビリティもある良作。
麗子が兄や紗英の気に食わないところを毒づく心情描写が芯を食っていて、かつ鼻持ちならない麗子の自尊心も垣間見えて好きである。

0
2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 剣持麗子は憤慨していた。3か月付き合った彼が差し出した指輪はちっさい、ちっさいダイヤモンドで、値段は年齢相場の平均値の42万円。「平均の3倍は出すべきでしょっ! 私をそんな安い女だと思っているわけっ!」怒りの勢いのまま麗子は彼氏を振り、自宅で元彼の森川栄治にメールを送った。踏みにじられたプライドを、栄治とのやりとりで回復したかった。ところが後日、受取ったメールは、「森川栄治氏は永眠いたしました」という知らせで…
 ひょんなことから元彼の死を知った麗子。しかしその栄治は奇妙な遺言状を残していた。曰く「自分を殺した人間に遺産を譲る」と。栄治はインフルエンザで死んだらしく、それを知った栄治と麗子の共通の知り合い・篠崎は「僕がインフルエンザを栄治にうつした。僕が犯人になるんじゃないかな」と、麗子を弁護士として遺産相続を目論見る。そして麗子は栄治が残した遺言の謎を追っていくことになるのだ。
 42万円の指輪を叩きつけ、「3倍の120万は出すべきでしょ」という非常に鼻持ちならない女、麗子に、読み始め当初は共感できなくてムカムカする。けれど栄治の遺言状に取り組んでいくうち、麗子の金への執着は、金自体が欲しいのではなく金で表される「評価」が欲しいのだということが分かってくる。麗子は全く金や贅沢に執着しておらず、留置所生活にも寛げるタフさをもっていた。彼女が金を追求するのは、高価なもので身を飾って見栄を張りたいわけでも、贅沢な暮らしをしたい訳でもなく、金がもつ「客観的評価」を欲していたのだ。栄治の謎を追ううち、関わる人たちから「麗子さんは本当は金が欲しいんじゃないんだよ」などと指摘されるが、麗子自身も「本当に欲しいもの」が見えていない。「金のためだ」と言いながら、栄治の従妹・紗英を身を挺して守ったり、栄治の看護婦の朝陽の依頼に応じたりする。
 麗子には兄が居て、父はいつも兄ばかり褒めて麗子を褒めたことがなかった。それで麗子は父や兄に反感を抱いていたが、実はそこにも麗子の幼少期のエピソードがあって、この鼻もちならない女の本質が、実に思いやり深い不器用な性格なのだということが分かってくる。
 栄治の謎を解くうちに関係者から「金では買えない大切なもの」をあれこれ聞かされ、それが理解できない麗子は内心ムカついていたが、彼らと関わっていくうち、「自分がどうして金に執着しているのか」も考えていく。決して裕福な弁護士とは言えない町弁の村山とのやりとり、そして彼の死を受けて、麗子は心を大きく揺さぶられる。こんな深いやりとりをプロポーズの彼とも出来ていたら、指輪の値段なんかで別れることはなかっただろう。プロポーズするほどの付き合いだった彼よりも、ホンの数日しかやりとりのなかった村山の方が、麗子の心を揺さぶっていた。
 そんなひどい振り方をした彼だが、高価な指輪を用意して再度アタックをかけてきた。立派だ。続編もあるようなので、その時には二人は結婚しているかもしれない。一見ゆがんでいるように見える麗子の性格。それの本質を麗子自身が見出していくことで読者とともに成長していく物語。

0
2026年02月10日

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