【感想・ネタバレ】諸星大二郎劇場 第2集 オリオンラジオの夜のレビュー

あらすじ

鬼才が描く珠玉の短編。“オール”新作!!

晴れた冬の夜にしか聞くことのできない「オリオンラジオ」――――
誰が発信しているのか、どこから流れてくるのか。
真相を知る者は、誰もいない。
そして、その不思議なラジオを聴いた者は皆、自然と不思議に誘われ――――

鬼才・諸星大二郎が描く、全てコミックス初収録の奇怪譚のオムニバス。
空に星が瞬く夜、あなたはきっと、まだ見ぬ不思議に遭遇する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

(オリオンラジオの夜)
■第1話 サウンド・オブ・サイレンス ※サイモンとガーファンクル
■第2話 ホテル・カリフォルニア ※イーグルス
■第3話 悲しき天使 ※メリー・ホプキン
■第4話 西暦2525年 ※ゼーガーとエバンズ
■第5話 赤い橋 ※浅川マキ
■第6話 朝日のあたる家 ※ボブ・ディラン、アニマルズ
(春男くんシリーズ)
■原子怪獣とぼく ※原子怪獣と裸女
■ドロシーの靴 または虹の彼方のぼく ※ドラキュラとせむし男、オズの魔法使
◇解題



……ちょっと不覚にも涙腺が緩んでしまった。
要はラジオを通じた死者と生者の思いの交流ということなのだが、「解題」でも言及されている通り、別軸として「斜めから昭和史を見ることができたらなあ」というシリーズとのこと。
ここで描かれた昭和が、昭和58年生まれの自分にとって時間も空間も遠いのに、ひどく懐かしくってならぬ。
多くの小説や漫画や映画やで触れたアレやコレやが作中で登場すると、どうしてだか郷愁を誘ってならぬ。
「ALWAYS 三丁目の夕日」に陶酔している人たちは、本作を読んで居住まいを正してほしいものだ。……放言失礼。
以下箇条書き。
・「サウンド・オブ・サイレンス」モロ☆先生、サイモンとガーファンクル好きね。
・「ホテル・カリフォルニア」における学生運動の終焉……押井守に読んでほしいところ。
・スプーン曲げにこだわっていた中島らものいる天国の番地にも送ってあげたい。
・「悲しき天使」で何度か現れた、本の上から下までブチ抜くコマ割り……凄い。
・「西暦2525年」では、前作『雨の日はお化けがいるから』収録の「河畔にて 第3話 欲しいものは河を流れてくる」と、ちょっとシンクロしている。
・「赤い橋」には、なんと三島由紀夫(と、きちんと森田必勝まで)が。そしてエノケンも! モロ☆先生の思い入れがあるのではないか。
・春男くんシリーズ2作を読んで、フリオ・リャマサーレス「無声映画のシーン」を連想したのは、私だけだろう。全然関係ないし。でも思っちゃったんだからしかたない。

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2023年01月19日

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