あらすじ
大学新入生しょくんへ、そして“じぶんって考えるのヘタかも?”と思ってる大人のみなさんへ。累計26万部突破『新版 論文の教室』著者による、思考のトレーニング本がここに誕生。
「演繹」「帰納」をいっさい使わず身近な例を豊富にまじえ、まずは論理的思考の本質を柔らかく説く。でも、さまざまな偏見や思考の飛躍によって、論理の筋道は曲がりくねってしまう。ならば、“じょうずに考える”ためには、どんな装置を使って、何をどのように勉強すればいいのか?
語彙力強化の秘伝から、じぶんの考えを効率的に伝えるための文章設計術、相手の考えをきちんと理解するためのクリティカル・リーディング、相手といっしょに考えるためのディベート術まで、ユーモア&論理エキスたっぷりの戸田山節で講義。“考える”ためのすべてを網羅した「知の教典」、練習問題42問も付いた決定版! “じょうずに考える”ためには、やっぱり考えてみないとダメなんだ。
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思考の教室
じょうずに考えるレッスン
著:戸田山 和久
出版社:NHK出版
本書は、「考える」ということについての本です。
そういわれれば、じょうずに考える、うんうん考える、そういったことはやったことがないので、考えるってなんだろうと振り返ってしまう。
もともと、こんな頭なのだから、じょうずもなにも、ないだろうが第一感でした。
やっぱり読み進めていっても、ある程度のもやもや感はぬぐい切れなかった
これって、哲学に感じるうさんくささに通じているのではないでしょうか
でも、文をならべていくと、雰囲気というか、何となく、分かったような気になるのである
考えるの3つの特徴
①思考と行動の間にタメがある
②今そこにないものについて考える
③自分の考えについて、考える
こりゃどうみても、循環しているではないか
やる前に考える=シミュレーション
反省的思考
自分の思考の流れをコントロールできる
これまでの自分の考え方のクセや歪みに気が付く
判断・主張 ⇔ なぜなら ⇔ 理由・根拠
結論・帰結 ⇔ なぜなら ⇔ 前提
サポート? 論理的にその命題が説明されていることと理解しました
主張がサポートされていることと、主張が正しいこととは、まったく別物である
主張が結果的に正しいかどうかと、サポートがきちんとなされているかどうかは区別しなけれならない
論理的観点から見てよく考える・書く・話す とは、つねに自分の思考・主張にできるだけ強いサポートを与えることに気を配りながら、思考や文を繋げていくことである
考える、を補完すること3つ
①テクノロジーを使って考える
②みんなで、一緒に考える
③考える仕組みをつかって考える
①文字を使って補完する
・文字は記憶を増強する
・文字は思考を増強する
・文字はゆっくり考える時間を与えてくれる、反省的思考、批判的思考を手にすることができるようになる
文字をふやすと、思考を強化してくれる。だから、語彙をふやさなければならない
⇒辞書とノートを手の届くところにおいて、語彙をメートにメモしておくこと
⇒ローテク、紙とペンは、思考強化の最強のツール
②ヒトは集合知を実現するために、文章を使ったコミュニケーションに頼らなければならない
・良い文章とは目的を果たすことが出来る文章である
・書いて、失敗して、反省して、直す。これをくり返していくしかない
③サポート文を基本パターンに従って書く
・重要性のアピール
・読み手に合わせて、知識を補完説明する必要がある
・早とちりを防ぐ、譲歩、但し書きを使う
サポート文を書くステップ
・基本パータンをベースとする
・根拠・理由を加える
・その主張はどれくらい強いか
・読み手に合わせて修正する
・譲歩、但し書きなどのおまけを加える
クリティカル・リーディング
批判的な読み方、論理的な読み方
・主張が一箇所にあるとはかぎらない
・主張がひとつとはかぎらない
・論理的に入れ子になっていることが多い
・根拠に見えない根拠がある、暗黙の了解など
クリティカル・リーディングを行ってみよう
・いったんばらばらにして、並べ直してみる
・主張はどれ、根拠はどれ、その根拠を説明している箇所はどこ?
・分析的な読み方 書くように読む、書くつもりで読む
主張をメモのように箇条書きにしたものを、レジュメという
それを文章の形で述べ直したものを、要約という
隠れた前提:その団体で暗黙となった前提条件をいう
図表で言葉を補完する、どちらも、思考力を増強してくれる
眼を凝らして、近づいてみる
眼を細めて、一歩遠ざかってみる
Contents
序 章 「じょうずに考える」ってどういうことだろう?
Ⅰ 基礎編──じょうずな思考の入口は、「論理」で開かれる
第1章 そもそも「考える」ってどういうことかを考えてみるぞ
第2章 これが、「論理的思考」の世界でいちばんシンプルな定義だ!
第3章 サポートとツッコミについて、さらにツッコんでみよう
第4章 論理的思考のようで論理的でないベンベン、
それは何かと尋ねたら……
第5章 しかし、私たちのアタマは論理的思考に向いていない、
という「不都合な真実」
Ⅱ 実践編──生まれながらのアホさかげんを乗り越える3つのやりかた
第6章 まずは、語彙を増やすことから始めよう
──テクノロジーを使って考える①
第7章 ローテクな「紙とペン」こそ思考強化の最強の味方
──テクノロジーを使って考える②
第8章 文章設計の方法──他人といっしょに考える①
第9章 「クリティカル・リーディング」と「実り豊かな議論」のために
──他人といっしょに考える②
第10章 「集団思考」にお気をつけあそばせ
──考えるための制度〈しくみ〉をつくって考える①
第11章 最終手段「ガクモン的思考」を手ほどきするぜ!
──考えるための制度〈しくみ〉をつくって考える②
終 章 新・ガクモンのすすめ
練習問題解答
さらに学びたい人のためのおすすめブックガイド
あとがき
ISBN:9784140818336
判型:4-6
ページ数:432ページ
定価:1800円(本体)
2020年10月25日第1刷発行
2021年03月20日第3刷発行
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主張をサポートしていくことが、論理的に考えること。
人はそもそも、論理的に考えることが苦手で、さまざまなバイアスがかかる。とくに確率が苦手。
そこで、
文字や図や数式などを使う。
人と一緒に考える。
でも、集団愚に陥らないように気をつけてる。
学問の仕方を身につける。
じょうずに考えるとは、自分の、周りのみんなをよい方向に向かわせるための思考。
先日読んだ超超勉強にも、この本にもツルカメ算がでてきた。
Posted by ブクログ
ここ5年くらいで「○○思考法」というワードの本が書店で並んでいました。そうなると、やはり人は型にはめたやり方が好きなんだろうなぁと思いました。そして「やり方」が明確であればなおのこと食いつきやすく、誰もが頼りたがります。
ただ、私はその手の本を一通りジャケ買いしましたが、合いませんでした。結局、型を覚えられなかったり、応用利かせるのが苦手だったりしたためです。
ですので、型に当て込むことを思いついたものを書き出していく方法をとってました。ただ、それでも思考しなくてはなりません。その時に出会ったのが本書です。学生向けとは言いながらも大人になった今まで学びが多い1冊でした。
「論理的に文字する」ということが大切で、そのためにはさまざまな材料が必要だということです。本書ではその材料がたくさん身近にあることを教えてくれます。
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読んでからちょっと経って、振り返ってみるとこの本はすごく学びが多かったと思う
語り口がだいぶフランクでおちゃらけてるけど、書いてあることを真剣に考えると、今後本を読む時とか、誰かに何かを説明する時とか、難しいことを考える時とかに、役に立ってきます
役に立つというか、ベースになってくれる感じ
大人は手遅れみたいなこと書いてありますが、全然間に合います
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戸田山先生の根底にあるのは、
「ひとが学ぶのは世の中を良くするためである」
ということなんだと思う
教養の書とオーバーラップする部分もあるけど、それも復習になってよい。
すべての論考は、情熱に溢れたこれからの若者たちに向けられている。しかし、同じような想いを持っていればアラフォーの自分にも響く。
分厚いが、思考法を学ぶには適切な量だと感じられるほどに、スラスラと読める。
Posted by ブクログ
最近、若いひとたちと話すと”考える”という言葉の内容が「思いつくのを待つ」になっていることを感じることが時々ある。確かに”考える方法”を学ぶことがない中で、「発想」とか「イノベーション」といった言葉が流行るので、”考える”=”思いつく”と間違って思いこんでしまうのだろうか。
”考える”ということには、ちゃんと方法があって、それは練習して身に着けるものなんだよ、そしてそれは一生の財産になるんだよ、ということをこの本を読んで理解してほしいなぁ、ととても思いました。
Posted by ブクログ
論理思考系の本は、必要に迫られて少しずつ読んでいるのですが、
この本は結構自分好みでよかったです。
ただし、結構なボリュームで、読み切るのにとんでもない時間がかかりました。
本の文体が口語体で、読みやすいっちゃ読みやすいんですが、
ちょっと冗長なところがあるのも事実。
それがすごいボリュームになっちゃってるんですが、
それでも内容自体はとても分かりやすくて、個人的にはおススメ。
単なるHowの話だけでなく、
「じょうずに考える」ことは、そもそもなぜ必要なのか?から
考えてくれていることもポイント高し。
ちょっと読むのが大変ですが、是非手に取ってもらいたい本です。
Posted by ブクログ
論理的思考とは何か?を知りたくて読み始めたけれど、論理の穴についての解説が日常の仕事で役立ちそうだった。
論理といえども100%完璧なものはなく、だからこそどの程度で突っ込むのをやめるのかもわきまえるセンスが必要。さらには疑似論理など論理を破壊する思考法も現実多用している人も多く、こうやって系統的に整理されていてわかりやすかった。
そのほかに改めて大事なことだと思ったのは、語彙の量を増やすこと。
言葉にすることで初めて思考が深くなる。今まで知らない概念を新たに獲得することには、新しい言葉を覚えることが最も良い方法だと再認識した。
これからは、言葉を書き留めて、その意味や覚えておきたい内容を記録しておこう!
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よく考えるは時間をかける事ではない。自分の思考をコントロールして最善の選択をする。人は上手に考える事に不向きなのでコントロールが必要。気が散る事も悪くない。
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100分で名著の解説をされていた戸田山先生。こ取り上げられていた本は「華氏451℃」だったが、解説が面白かったので、先生の著書を検索。本書はタイトル通り「思考の方法」について解説されて一冊。「よく考えなさい」と言われることが多いが、「こういうふうに考えるとうまくいくよ」と教わることはあまりない。この本では、よく考えることのトレーニングが最も必要な高校生や大学生向けにとても平易な言葉で説明されていてわかりやすい」。また、練習問題があって、大人でも苦労するが、理解が進むし面白い。そこそこの分量だが難しくないので、大人でも、文章を書いたり、企画を練ったり、議論したりすることが多い人にはおすすめの一冊。
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同じ筆者が書いた『教養の書』の実践スキルの項目をより具体的に説明したものが、本書にあたるだろう。なので、個人的には『教養の書』を読んだ方は、本書を読む必要がないように感じた。
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凡百の「クリシン」を掲げたコンサル出身者の書き飛ばし本よりも、こういうテキストをこそ読むべきなのですが、本屋でもビジネス本のセクションではなく「哲学」の棚に並んでしまうので、埋もれてしまう。もったいない。
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じょうずに考える方法、具体的には、主に論理的に考える方法について説明した本。
とても基礎的な内容だけど、一度きちんと基礎を教わっておくのは重要だと感じた。
適度にくだけた話し言葉で書かれており、読みやすかった。
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人の意見を聞いて、自分が気付いてない視点にハッとする事がある。考えが深いとか、視野が広いとか、論理が流れるように組み立てられ、それがそのまま洞察や将来への提案に繋がっているときなんかはとても感心する。恐らく「上手に考える」とはそういう事なのだろう。人は常に考えている。だが、普段はもっとダラッとした思考で、内受容感覚を満たすために短絡的な思考をしているのが常である。ただ、本当に上手に考えなければならない時というのも、案外、自分が損しないようにという、同根の事なのかもしれない。
そう考えると、上手に考えるとは。自分が損しないように考える事。損とは何か。定量的、定性的に相対化されるものにおいて劣後しない事。つまり、少ないお金、少ない評価・・。そこでいう「上手さ」とは、結局は世俗的な欲求満足のためのテクニック論と同質のものだという事だ。論理とは協調の中で妥協可能な合意形成を見い出すためのものと、他者を支配するためのものと、戦略によって変質するものだ。いずれも自らの生存戦略に根差した装置と言えるかもしれない。故に、論が強い人間は、より生存する上で有利になる。
本書は、こうした論理的思考を身につけるためのトレーニング本。「自分は考えるのが苦手かも」と感じている人に向けた内容だそうだ。語彙力の強化、文章設計術、クリティカル・リーディング、ディベート術など、具体的な思考技術が学べて、かつ練習問題付きだ。私は最初、まじめに練習問題に取り組んでみたが、答えがないじゃん!と思ってやめた。いや、巻末に解説がついていたのだが、どうやら論理力以前の問題で、私に足りないのは先ずは注意力のようだ。
― というわけで、気が散るのはけっこう大切なことなのである。だから、ヒトの思考も、もともとあっちに行ったりこっちに行ったりするようにできていると考えるのがよさそうだ。だったらどうするか。ずっと一つのことをとことん考えることができるように集中力を高めるためのトレーニングをするのはどうか?お勧めしません。だって、これって思考のそもそものありかたに反しているんだもの。無理はしないほうが身のためだ。だいいち「集中力」って大切だと思われているけど、これって人間を機械のようにこき使うために都合の良い性質、ってことだよ。一心不乱に一つのことに集中してくれたほうが、効率的だよね。クリエイティブでない仕事の場合は。でもこれって、ものすごく不自然なことだ。だから、私のお勧めは、むしろ「気が散りやすい」という、私たちがもって生まれた思考の特徴とうまく付き合うってことだ。
この言葉が凄い好きだなーと思って印象に残った。本来、気が散るのは防衛本能だ。上述より、論理も防衛本能だと書いたが、恐らく人間は、そのバランスの中で生命としての「本能・肉体的な上手さ」と「理性・地位的な上手さ」のポジションを見い出しているのかもしれない。
Posted by ブクログ
分厚かったぁー。
でも、話し言葉で書かれた本だったので、比較的読みやすかった!!
この子難しい解説を淡々と普通の教科書みたいにこの厚さ分語られたら、、、!
途中でやめてました。。。
軽く国語の辞書くらいの厚みがあるし、、、
わたしたちはナチュラルボーンアホであるから、上手に考える力が必要。
ナチュラルボーンアホ。笑笑
言い得て妙ですが納得。笑笑
五年生の娘とこの表記にハマりました。
今ちょっとしたブームです。笑笑
物忘れや、勉強しないと!
なんていう会話に挟んで使ってます。笑笑
難しいには難しい本だけど、こんな難しいことばかり書いてある割に読みやすい本でした!!!!
この著者が面白いひとなんだと思われる!!!
Posted by ブクログ
思考について漠然と感じていたことが、定義付けされているので新発見はないけど腹落ちして納得できる。
文体が講義口調なので、人によっては嫌悪感を感じると思う。大学の講義を本にしたという、前提の上よめば問題なし。
ノートの使い方などは実用的ですぐに実践できる。
一度は読んでおいた方がいい本。