あらすじ
ホーフハイム刑事警察署の管轄内にあるキャンプ場でキャンピングトレーラーが炎上し、大爆発が起きた。計画的な放火の痕跡があり、中から男の焼死体が見つかる。刑事オリヴァーとピアは捜査を始め、トレーラーの持ち主がオリヴァーの知人の母親だと判明する。だが余命わずかでホスピスにいた彼女が、何者かに窒息死させられてしまう。さらに新たな被害者が。被害者や被疑者のほとんどがオリヴァーの知り合いで、一連の連続殺人には42年前のある事件が関係している可能性が……。緻密極まりない構成で人間の裏の顔を暴きだす圧巻の警察小説!
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Posted by ブクログ
オリヴァ―とピアシリーズの第8作。
大変良かった。
オリヴァーのルーツとも言える事件が解決したこともそうだが、
長年もやもや、いや、いらいらしていたオリヴァーの私生活が安定を得られそうなことが、とても良かった。
とはいえ、登場人物が多く、かつその関係が複雑で、
さらには過去と現在を把握していないと話について行けないので、
かなり読み進めるのが難しかったことは否めない。
しかも、
知識豊富で、証言を引き出すための嘘も上手い新人が入ってきたことや、
(彼のあだ名、アインシュタインはそういうタイプの天才ではないと思うが)
オリヴァーが義母の遺言で屋敷を相続することになったこと、
今の恋人に心の内を打ち明けられたこと、
長期休暇中の後任にピアが決まったことで、
これが最後の作品になるのではないかという心配も、
読む進めるのを難しくしていた。
オリヴァーの人生そのものとあって、
あちらこちらに心ゆさぶられる場面があったが、
事件解決後にけがで入院したオリヴァーに、
ピアがかわいい贈り物をする場面には心を打たれた。
それと、あとがきで書かれていた訳者の「聖地巡礼」は本当に羨ましい。
この事件の舞台の村、作者が暮らす村内の「聖地」を訪れ、
作者本人に朗読してもらえたとは。
Posted by ブクログ
登場人物一覧が5頁!
翻訳ミステリに慣れてない人にはきついか⁈
でも時間をかけて読む価値あり。
読み続けてきたファンは特に。
オリバーはダメダメな時代もあったけど、なんて過酷な人生をおくってきたことか。
長年の謎の一部が明らかになる。
彼と周囲の人々の取り戻せない長い時間を思うと胸が締めつけられる。
女難の相があるのか?女に弱すぎるのか?
そんなオリバーに今度こそ幸せが…やっと…ほんとに?
ピアの有能さが際立ち、新しい部下の活躍も期待できそうでうれしい。
捜査本部内に足を引っ張る奴がいる設定は好きではないが、今回の署長は許容範囲。