あらすじ
国家的金融危機に陥る日本の現状。
そんな大きな波とは無縁かに思える年収240万のフリーターの生活。
それが一転! 生きることへの「夢」とか「希望」とか、そんな言葉が別世界の事柄に感じられる地獄の底......1億2千万円もの借金を背負ってしまった!!
誰にも相談できない、自己破産もできない、この先、借金を返済するだけの人生。
結婚したり、家を持ったりなどという「人並みの幸せ」を求める可能性をすべて奪い去られても、自殺さえできない。
親元を離れて、田舎から東京に出てきたのは「ひと山当ててやる」ためだった。
しかし気がつけば、八方塞がりの現実。
整理不可能なまでに金利で膨れあがる借金。
自宅、職場はもちろん、親、兄弟、妻、妻の実家にまで及ぶ取り立て。
それでもなんとか逃れたとしても、商事消滅時効直前に届く内容証明。
この地獄から脱出する方法はないのか、
どうすれば問題を解決できるのか......?
底なし沼の底で見つけた、起死回生の法則とは?
今は借金を完済し、経営者となった著者が、借金の苦しみから得た気づきを基に、
自らの体験を綴って示す奇跡の生還記!
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Posted by ブクログ
【総合点】9.0/10点
よくある借金返済系だろうと思ったら違った。いや、借金返済なのはそうなんだけど、内容がもっと濃いし生々しかった。なので非常に面白かった。
濃い部分として金森さんの場合、自己破産などはせず(する意味がない)、利息を真正面から返しているところが凄いしヤバい。これがどのくらい凄いことかと言えば、毎月30万稼いでいる一方で、借金の利息「だけ」で毎月39万上乗せされ続けているということ。つまり、フルに頑張ってもずっと-9万ずつ上乗せされてしまうということだ。シーシュポスの神話を彷彿とさせる。
落ちるところまでは正直「この人おバカなんだな」と思えてしまうところも見受けられる。人の言うことに流されすぎだし、借金できた現実から目を逸らしてパチンコでさらに散財とか、もう本当にダメじゃんって感じ。
でも仕事を始めてからの輝きっぷりは凄い。普通なら数人がかりで作成する書類をまとめてこなしたりという辺りは流石東大というべきか。
そこから凄い勢いで発見を重ねて、希望の光を見出していく過程が素晴らしいし参考になる部分。本当にお手本にしたいレベル。
何が凄いって「物語としても面白い」し、「発見を重ねる過程が非常に参考になる」という二重にお得な内容。あと、リアルに借金を抱えてる人からしたらこれほど光明になる本も少ないのではないだろうか。文句なしの優良本。
Posted by ブクログ
これまでの人生で最も影響を受けている本といって間違いない。仕事等で行き詰まったときはこの本をふと読み返す。
そうすると本書の名言「どうにもならない時は寝てしまえ」を思い出し、どうにもならないタスクはいい意味でスルーできるようになった。
本書のみどころ、東大卒フリーターの著者金森さんVS上場企業経営資本家K氏。先物取引で発生した借金1億2千万円・利息24パーセントがのしかかる悪夢のような現実の中で金森さんは知力を尽くしてK氏に対し逆転の一打を模索します。
これが本当に現実に起こった話だっていうんだから、
事実は小説より奇なりとはよくいったものです。
Posted by ブクログ
通販大家さん」という不動産投資情報サイトを開設し、不動産業などを営んでいる金森氏の自伝です。
ただタイトルから分かる通り、上京してから成功までの半生が書かれた、どちらかと言うとかなり生々しいお話。
ここまで壮絶な借金生活をしているときの状況や心境、考えていたことや体験などを読むと、一度底辺を味わった人間のリアルな内容を知ることができ、非常に参考になります。
(自分がしたいとは思わないですけど。。)
逆に言えば、このような状況だったからこそ普通の対応や行動では挽回不可能であり、そこにヒントが見つかるのかも知れません。
またこれを読むことで、まだまだ自分は甘いと感じることでしょう。
その意味でも読む価値のある一冊です。
以下、赤線を引いた部分です。
・人生はその人の器の大きさに応じた試練を人に与えるようにできている
あなたに与えられたその試練は、たとえそれがどんなに大きくても、きっと乗り越えられる壁なのです。
・環境の影響を受けていることに気づくことは、その環境の中にいる限り非常に困難である
・学校では教えないお金の知識の一つは、税の仕組みです。
・人間の面白さは、行動を起こしていくことで現実を変容していくところにあります。
・「無知は罪なり、知は空虚なり」(ソクラテス)
・「問題は、それを生み出した意識と同じ意識では決して解決できない」(アインシュタイン)
・お金を消費する活動は「自傷行為」です。
・人生の問題は、自分で解決できなければ誰も解決してくれない
現象に対応するだけでは、問題の根本的な解決は永久にできない
偶然に左右されるやり方ではこの問題は決して解決しない
・既知の問題の解決方法は、一般的・普遍的な前提からより個別的・特殊的な結論を得る推論方法であり、一言で言えば演繹です。この演繹においては、前提条件が正しいとすれば、その結論は絶対的、必然的に正しいわけです。
しかし、見通しのつきにく未知の問題の解決はこのような対応では処理できません。
個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする帰納的アプローチによってしか、未知の問題に対応することはできないわけです。