あらすじ
「決して手を離してはいけないよ」 そう、言われていたのに――。
ある夏祭りの夜、祖母の言いつけを守らなかった八重子(やえこ)は、田舎町で過ごした数年間の記憶をなくしてしまう……。
時は過ぎ、祖母の死をきっかけに再び田舎町で暮らすこととなった八重子はそこに突然現れた男に失礼な言葉をかけられる。
「おまえ、面白いものをなくしているな」
二紫名(にしな)と名乗るこの男、どうやら八重子のなくした記憶について何か知っているようで──!?
記憶を取り戻すため、八重子は自らを神使の狐だと名乗る二紫名と祖母ととも過ごした田舎町を奔走する。
記憶が戻った時、八重子の心に残る感情は果たして──。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第2巻から先に読んだので,やっぱり気になって購入。ついでに3巻も。
祖母の死をきっかけに,都会から能登に移り住んだ高校生の八重子が主人公。作者が言うように能登が舞台なのだが,読んでいるとどうも奥能登のしかも珠洲市あたりらしい。ただ現在の商店街は残念ながらすでに寂れているのだが,小説の中の商店街はなかなか楽しそう。わたしが子どもの頃の飯田町を思い出す。熱々のコロッケを買って食べたよなあ。あのときはまだ能登牛はいなかったけど。
このお話は,なぜか神様と通じることのできる主人公の八重子が,鈴ノ守神社に住む縁(ゆかり)という神様や白狐や狛犬などと一緒に,八重子が幼い頃に住んだことのあるこの土地(能登)での記憶を取り戻すという設定。他にも妖(あやかし)が出てきて面白い。