あらすじ
官邸のスキャンダルがらみで相次ぐ死者・・・椿は「総理官邸の極秘暗殺計画」を疑う。
宮澤は、田部総理直轄の「内調(内閣情報調査室)」の極秘組織に潜り込む。
すると、凄腕ハッカーなど3人の人間が、「武江学園問題」で官邸からの圧力を証言する重要人物の動向を探っているようだった・・・
またしても、椿の妄想が現実となるのか?
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Posted by ブクログ
椿は過去バリバリのキャリア警視として活躍していたが、今は周りから煙たがれ公安の特別捜査係として窓際部署に追いやられた身、その部署に警視庁捜査一課から誤認追跡中の事故問題で宮澤が左遷され配属される。この事故で恋人の千紗の父親の浩介が植物人間となって負目を感じながら千紗と付き合う。
椿家は、代々東大出のエリートで日本中枢に人脈を持つ大金持ち、親父の源一郎、執事の渡会は妻と別れたトラウマで精神を病んだ椿警視に虐められ苦労する。そんな関係の中で田部総理の暗殺情報を掴む自称アンタッチャブル椿とその部下宮澤がその阻止に動く。その過程で椿が伝説のハッカー:ドラえもんとして名を馳せた過去を持ち、千紗の親父浩介が元CIA教育を受けた超一流のスパイ:覗き屋トムである事が判明しながら、IT技術を使い其々の思惑が絡みながら捜査が進む。一本ネジが外れた椿と千紗とのHに好じながら捜査一課への復職を願う宮澤コンビの動向が面白く一気読みする。最後は、首相で無く芳賀官房長官の暗殺で終えて警察内部人事にも大きく影響して惚ける椿は思惑通り警視正と出世を果たす。
奥田英朗の伊良部(医者)と重なる主人公の公安元キャリアの椿警視と平凡な宮澤コンビが織りなすおとぼけ小説で最後は、もしかして??と。。でもその想像を超えた結末でおとぼけが確信的な椿の人格に驚いた。馳さんの小説は大好きだがこんなコメディタッチの内容は初めてで次回作が楽しみだ。。
Posted by ブクログ
先月初めに読み終わり、その段階で
続編を購入してあった馳星周の単行本。レビューまで間
が空いたのは、買った事実を忘れていたから、とは口が
裂けても言えない感じ。
捜一から公安に飛ばされた宮澤は、どういうワケだかア
タマのオカシイ上司・公安アンタッチャブルの椿に気に
入られ、椿の助手としては最長の勤務記録を今も更新中。
おかげで捜一への復帰など考えられない状態なのだけど。
そんな折、現政権の起こした不祥事に関係した、と思わ
れる関係者が次々に死亡。椿は官邸の関与を指摘、宮澤
も渋々その捜査に付き合うのだが・・・という内容。
公安モノなのに妙に笑える、というのは前作と同じ。違
うのは、今回絶対的なヒールとして登場する官邸チーム
のモデルが、間違いなく安倍政権であるということ。
そういえば森友・加計問題で自殺した官僚が居たが、も
しかしたらその辺りにインスパイアされて書いた作品な
のかも。
しかし、前作と比較してストーリー展開にかなり無理が
ある気が。もちろん一応の辻褄は最終的に合うことには
なるのだが、あまりの荒唐無稽さにさすがに少し呆れた
ほど(^^;)。
まぁ、つまらないワケでは無いのだけど、起こっている
事件がそこそこシビアなのに、肝心なところをウヤムヤ
にしている感は否めず。続編を読みたくなる作品である
ことに変わりは無いので、次回はもう少しだけしっかり
した物語になると嬉しい!