あらすじ
四川地震の現場で見た五輪開会式の様子から、「一人っ子」政策の網の目をくぐり生まれてくるオリンピック・ベビーとの出会いまで。「死」から「生」の現場へと五輪を背景につむがれる家族の物語。訪中を重ね、丹念に取材をした直木賞作家による珠玉のルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
重松清の小説は2,3しか読んだことがなく、もっぱらミステリーばかりの私としてはそれでお腹一杯だったんだけど、彼のエッセイは大好き。
これなんて途中思わず笑っちゃった個所があって、通勤途中の車内でなくてよかったとつくづく思ったくらい。単なるオヤジだよね、好奇心の旺盛な。彼の人間観察での文章には、観察対象に対する愛というかリスペクトがあるように感じる。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
五輪開催の一年前から取材を重ねた作家の目をとおして見えてくる、生まれ変わろうとする北京、そして中国のもうひとつの姿。
四川大地震の被災地から、2010年に万博が開かれる上海まで。
国家が演出した「素晴らしき北京五輪」の隙間から覗いた、それぞれの今を生きるフツーの人々の物語。
[ 目次 ]
序章 「五輪」はまだ始まらない
第1章 北京には、いろんなひとがいる
第2章 取材の旅は天津から始まる
第3章 四川の被災地で笑顔と涙を見た
第4章 オレは中国が嫌いだ。でも…
第5章 北京にて、はじめてのおつかい
第6章 青島でキレた!
第7章 盧溝橋で再びキレた!
第8章 国旗と老人と八月十五日
第9章 北京には、やっぱりいろんなひとがいる
終章 祭りのあと
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
小さい頃から親の仕事の関係で、中国が何かと近い存在でした。
幼稚園の頃、まだみんなが人民服を着ている時代に北京に行ったこともあります。
そして昔から、はっきり言って中国という国が好きではありません。
あの男尊女卑、あの図々しさ、自分は!っていう態度。
重松さんも同じようなところが頭にきたりしていて、でもそれを違う角度から納得したりもして、自分の考えも変わるような気がしながら読んでいました。
「人間というのは、ビシッと決めようと思ってもなかなか決められるものではない。情けなくて、カッコ悪くて、だからこそ愛すべき存在なのだと、僕は信じている」
そんなシゲマツさんの目から見た中国。
なかなか愛嬌があっていいものでした。
Posted by ブクログ
近頃新書ばかり読んでいたので、読みやすさに最初少々驚いた。小説家ってこういうことでした。しかししばらく読み進めると、恐らく「小説家だから」かイイ話にうまくまとめられすぎている・感傷的すぎるのが気になりだす。比べるレベルではないが自分の作文を思い出した。文章としてうまくまとめようとする結果自分の思いと文章が微妙にずれたりしていたなぁ・・・。ルポではなく、重松さんの「物語」として楽しめばよいのかな(あとがきにもそうある)。実際彼の小説の中身そのままという感じ。090428