あらすじ
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「存在すら知らない相手を守ることはできない」
そう考えた写真家ジョエル・サートレイは、動物の姿を伝え、保存し、さらには絶滅から救うために、「フォト・アーク・プロジェクト」をスタートさせました。
これは世界中の飼育施設の動物全種1万5000種全てを、25年かけて一人で撮影するという壮大な計画で、現在1万種まで撮影を終えています。
300点の美しい写真で、絶滅してしまった動物、絶滅の危機にある動物を紹介しています。
本書に収録された動物たちのいきいきとした姿に対し、そこに添えられた個体数の少なさに呆然とするかもしれません。
まだ間に合う動物も多くいます。美しく多様な生き物の姿をぜひ目にしてください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
美しく悲しい写真集。
「フォト・アーク」プロジェクトで撮影された1万種の中から
約300点を掲載。それらは絶滅した、絶滅が危惧される生物の姿。
・序文 ・はじめに ・IUCNレッドリスト
プロローグ 亡霊たち
第1章 世界からいなくなる 第2章 姿が見えなくなる
第3章 存在が遠くなる フォト・アークや著者等の紹介。
動物索引有り。初版限定特典ポストカード付き。
絶滅する、絶滅の瀬戸際に立たされる、
生物たちの生きていた証を残す「フォト・アーク」。
彼らの動き出しそうな美しい姿が、映されている。
多くの鳥。不思議な文様のカエルや亀。
日本ではミヤコカナヘビの素晴らしい緑色。
その合間に現れる、数字には悲しみが。
2019年1月現在、IUCNレッドリストに掲載されている
絶滅寸前の種の数は、5,826。
生息地で確認できたアッシュダーターの数は、10。
2014年にインドの密輸業者が1カ所で集めた
インドホシガメの数は、55,000など。
レッサーパンダも野生個体が減少していること。
絶滅への要因は、土地開発等の生息域の変化、密漁、乱獲、
人が移入した生物による捕食と交雑、気候変動など。
タスマニアデビルへの脅威は、デビル顔面腫瘍性疾患。
両生類への脅威は、ツボカビ症。伝染病が絶滅の一因に。
だが、飼育下で繁殖に成功し、保護区に再導入されたり、
絶滅したと思われたのが再発見されるという、喜びもある。
そう、まだ間に合う生物もいる。
共存共栄を模索する人間が更に増えることを願う。
Posted by ブクログ
ジョエル・サートレイ氏の動物を守るプロジェクトの続編。今回は野生絶滅種(EW)と絶滅種(EX)が前回より多めに掲載されている点、絶滅危惧種に対する具体的数値が大きく表されている点において危機迫るつくりになっていると思う。特にキタシロサイの撮影エピソードについては涙が出てしまうほど胸が痛んだ。効果のほどが定かでない民間薬販売のため、サイやセンザンコウの類が密猟されているのに非常に怒りを覚える。この地球に住む同じ世界の住人が、それぞれの価値を認め共存共栄していくこと。一方の都合で破壊されてしまっては、いずれ大きなしっぺ返しが向かってくるのは人間に対してであることを忘れてはならない。