あらすじ
菅首相の目玉政策「携帯値下げ」、変わらない市場の奥底に呪縛がある!
「携帯料金は四割程度引き下げる余地がある」--。
菅義偉新首相が官房長官時代から力を入れる携帯の値下げ。しかし国民の多くは値下げを実感するに至っていません。
13年ぶりの新規事業者となった楽天の携帯参入、大幅な減益覚悟で値下げを決断したNTTドコモ、今度こそ市場を変えようと
劇薬の「完全分離」導入に踏み切った総務省、ソフトバンクとKDDIによる瀬戸際の攻防。
それでもなぜ市場は変わらなかったのでしょうか。
本書は、そんな官邸と携帯大手の過去1000日の攻防を最前線で取材した著者がその裏側に迫り、
携帯電話市場の課題を浮き彫りにしました。国民が納得するような携帯料金を実現するにはどうすればよいのか。
著者は、市場を取り巻く「大手三社体制」「囲い込み」そして「月額収入」という三つの呪縛を解くことで、
初めて実現すると語ります。本書の内容は菅新政権の次の一手を探る上でも欠かせないでしょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
官邸と携帯大手の携帯料金の値下げを巡る攻防を総務省を交えて1000日の軌跡を辿ります。また、それと並行する楽天の苦難に満ちた新規参入の経緯も合わせて描く。そして個人的には最も興味深い日本の5Gのスタート状況をやや批判的に評価し、真の5GであるSAでの将来に期待を滲ませます。とても生々しい描写など、ジャーナリストの取材力には改めて驚かされました。
Posted by ブクログ
タイトルから想像できる通り、まるで小説のようなタッチで描かれていてグッと引き込まれる。さすがにちょっと誇張されてる面はあったりするんだろうか?いずれにせよ日本の携帯料金の未来は楽天が鍵を握るということは分かった。5Gで日本が出遅れた原因を分析する第6章は冷静な文体で全体からは浮いてるけど最も勉強になった。
Posted by ブクログ
刺激的なタイトルではあるが、楽天が携帯事業への参入を表明した2017年12月から菅氏が首相になった2020年9月までの携帯電話市場に起こった事を丁寧に描いており、好感が持てる。官製値下げには反対だが、官邸が危惧しているナッシュ均衡による寡占状態はやはり問題だと思う。健全な競争状態になる為には、楽天が大手3社と対抗できるネットワークの構築をもっと早める必要があるだろう。日本の通信産業ヘの危機感が伝わってきた。