【感想・ネタバレ】星になれるかのレビュー

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Posted by ブクログ

ミステリ作品の編集を手掛けるうちに、自分でも書いてみようという欲望を抱くようになった編集者が作家に転向したその後の話。映画化、直木賞受賞などいくつかの成功を収めつつも、睡眠薬中毒に陥り、芥川やら三島やら太宰やらと自身を並べ、作家の孤独を説いて悦に入る。 チャンドラーを敬愛する妻小泉喜美子については、鼻っ柱は強いが話の合う女が、一方的に自分に惚れ、結婚してほしいと懇願してきた、と宣う。結婚してやる条件として、彼女の執筆活動を禁じておきながら、自身は好きなだけ創作に時間を費やし、挙句の果てに呑む打つ買うのやりたい放題。作家は人間として魅力的な人物であってほしいと思うこともあるが、この作品については、感嘆ものの鈍感さを備えた作者への侮蔑や憤りが、ページをめくる原動力となった。そして悔しいけれど、私小説としてもブックガイドとしても大変面白かった。この作者、生涯、編集者であれば、違った人生を送れたのではないか。

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2016年07月21日

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