あらすじ
着た人みんながくるくる回りたくなる、その秘密とは?
実店舗なし、1着に4メートルの生地を使用、セールをやらない、無料の試着会を開催……。
「健康的な消費のために」という姿勢のもと、新しい販売方法で美しい服を世に送り出し続ける
ファッションブランド「foufou(フーフー)」。
服を買ってくれる人も作り手も納得のいく服と仕組み作りのためにfoufouがやっていること、
さらに日々「気持ちよく消費するため」にはどうしたらいいのか?大注目のファッションブランド
のデザイナーが伝える、「健康的な消費」のかたち。
* 本書『すこやかな服』の著者印税は全額、株式会社ステイトオブマインドの職人育成アトリエの運営にあてられます。
目次
プロローグ
はじめに
第1章: foufouのこれまで
ファッションなんて大嫌い。/ある本との出会い/服作りは楽しい/二度目の就職活動/天才たち/インターネットの中に/6畳の部屋からインターネットで誰かに届ける/はじめての販売/はじめての量産/ステイトオブマインドとの出会い/はじめての挫折「/試着会」と「ライブ配信」/これからのfoufou/無人の試着会/インターネットっぽいことでリアルで、リアルではインターネットっぽいことを
第2章: foufouの姿勢
試着会という取り組み/ライブ配信はエンターテイメント/言わないけどメイドインジャパン/セールはしないで売り切る/在庫リスクを背負うこと/数字は追わない、数字に追われない、数字と追う。/明るい機会損失/即決しないで欲しい/お客さんは神様じゃない/機能的じゃない服について/再販はライスワーク、新商品はライフワーク/お客さんの要望をどこまで聞くか/THE DRESSシリーズ「退屈な日常をドレスで踊れ」/夏は汗をかくのもシワになるのも普通なんだからいいじゃないか! 「夏をドラマチックに纏う方法」/売れる足音/顔が見える職人/試着会はサッカーに似ている/foufouの名前の由来/世界一小さくて世界一大きなブランド
第3章:僕の姿勢
アイディア/本は重たいSNS/矢面に立つ覚悟はあるか/No Happening No Life/デザインすること/合理的で効率がいいだけじゃ人生は楽しくない/夢見る日用品/ものを買う度に意味を求めすぎると疲れちゃう/僕らの役割/呪いを解く服/頑張らなくても続けられることを頑張ればいい/こだわらないことに一番こだわる/手元にあるカードが何か考える/八百屋みたいな服屋/インターネットなのにリアル/フックが大事/感性のチューニング/THE DRESS 500/あなたの家のドアを開けた、いつもの道がランウェイ。/「勘違い」されることを恐れないために「言葉」で伝え続ける/変えてはいけないことを変えないために、変わり続ける/やっぱりこれがfoufouのコンセプト
おわりに
エピローグ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
年が近いからか、考え方に共感できるところが多く、やさしい文体なのでするする読めた。
フーフーの服は一回だけ試着したことがあり、フレアがきれいで確かに踊るように回りたくなる服だなと思ったことがあります
Posted by ブクログ
ファッションブランドfoufouのデザイナー・マールコウサカ氏の著書。
著者は無印良品で働いた経験があり、無印良品の源流といえる原研哉さんや田中一光さんの思想から大きな影響を受けているように感じました。私はfoufouのファンではありませんが、無印良品の思想のファンではあるので、本書全体を通して流れている思想には深く共感できました。
凡ゆる税金や光熱費など生活コストが値上がりし続けていたる時代、高級ブランドで身を固めることが良しとされる価値観は古くなり、安くて買いやすい服をどう着こなすかが主流になっています。しかし一方でファストファッションでは満足できない人もいます。だからこそデザイナーブランドは生まれ続けています。とはいえ、あまりにも服が溢れているため、ブランドもショップも淘汰は既に始まって久しいとも言えます。
そんな中でfoufouはSNSを使ったオンライン販売に特化し、成長を続けています。ライブ配信で新作の服についてリアルタイムで質問に答えたり、試着会や無人の試着室で体験価値を提供したり、試着会に縫製工場の職人さんを招くことでお客さんと作り手が交流できる場をつくるなど、様々な試みが語られています。
また、売り上げ目標は一度も設定せず、即決を勧めず、カラーバリエーションをほぼ展開せず、機会損失を恐れ過ぎず、機能的じゃなくとも「着たい!」という衝動を生むような服など、根底にはブレない思想や誠実な姿勢があることが伺えます。
Posted by ブクログ
foufouのオーナー、マール・コウサカ氏の哲学。
「健康的な消費」とはまさしくよく言ったもので、現代の大量消費や、ラグジュアリーブランドによく見られる極めて高額な価格設定からの大幅な値引き、そしてそれに対する消費者の消費行動に疑問をもったコウサカ氏が自身のブランドに込める思いを述べたもの。
今後の社会における、より持続的なファッション産業を定義する上で、極めて鋭い視点を得られた。
Big love…
Posted by ブクログ
foufouというブランドが好きで読みました。
最後まで、宝物を見つける時のようなわくわく感を持ちながら読み終えました。
アパレルに関しての知識はほぼないので、読んでいて知らないことを知ることの出来る、高揚感がありました。
日常の延長線上にある服、夢見る日用品という言葉が素敵です。日々色々な選択をして過ごす中で、少しでも気持ちを明るく、日常を楽しく過ごしたいと思っているので、特別な一張羅ではなく日々の生活を彩ってくれるお洋服、そのコンセプトが素敵だなぁと思います。
発信をすることは、良くも悪くも様々な意見と向き合わざるを得ない。そこから逃げずに向き合い変わり続けようとするブランドを見守っていきたい、「これ着てみたい!」と、ときめいたギュンかわなお洋服と出会った時はワードローブに加えたい、そう思いました。
Posted by ブクログ
foufouのことは好きなモデルさんが好きなブランドで、「健康的な消費のために」というスローガンを掲げていることしか知らなかった。
セールをしないこと、再販をし続けること、実店舗をもたないこと、押し売りをしないこと。変わらせたくないものを変わらせないままであるために、変わり続けるという姿勢が素晴らしいと思った。
期待に応えるためには100%で十分だけど、心を動かすためには150%じゃなきゃだめ。そこに人がいるだけで、手触りというのは生まれうるもの。頑張らないとできないものは続かない、など。
コウサカさんのもつ思想がすごく良いと思ったけど、なにより、foufouの服が素敵だからというのがどこまでも先にありつづけることが、やっぱり素敵なことなんだよな〜
Posted by ブクログ
読みやすい文章。
健康的な消費活動。
健康的なものづくり。
理想的だなぁと羨ましく思う。
でもどうせお高いんでしょ?て思ったら、全然そんなことなくてびっくりした。
Posted by ブクログ
大好きな服。
大好きなブランド。
それはきっと著者である、マールさんの考え方と人柄が大好きだからだ。
魔法のように
マールさんの言葉はすんなりと心に忍び込み、
まんまと可愛いお洋服だと感じて
その可愛いお洋服を纏って幸せにくるくる回ってしまう。
本当に魔法使いのようなデザイナー、マールさんの考え方がびっしりと詰まった読み応えのある一冊。
洋服とは関係ないところでも
人として尊敬できる。
Posted by ブクログ
私は漠然と服が好きで、服を作ってみたいと思い色々バイトしたりインターンに行ったりしました。ですが次第に、自分の好きな”服”は誰かを苦しめる環境問題を生んでいることを学ぶにつれ、悲しくて仕方がありませんでした。何が一番悲しいかというと、それでも服が好きな自分が悲しかったです。自分の思想と本能的な感情がうまくマッチしませんでした。就活を前に絶望的になっていました。必死にどう服と向き合っていくことが自分にとって幸せか考えていくうちに、「誰かが服を買うときの理由にプラスα加えられる人になりたい」「服に愛着を持ってもらうことのできる仕事がしたい」そう思えるようになりました。就活の準備をしているうちに、コウサカさんの本に出会いました。ありえないほど私にとって心地のいい言葉で書かれた本で、納得と理解と共感で溢れました!!読みながら頷いたり、涙が出たり、笑ったりしました。本の中で『「愛着を持つこと」と「意味を知ること」は必ずしもイコールではない』というところに特に「あぁ!そうこれだ。」と首がもげるほど頷きました笑。経験が浅く、未熟でパニックになってる私にはまだうまく言語化できてなかった気持ちが言葉にされていたからです。本を読み終えた時、服を好きなことに罪悪感がなくなりました。人々の心も体も健康に過ごすためにファッションは手伝うことができる。ただ、今の状況を無視するのではなく自分のできる形で向き合おうと、思えました。
Posted by ブクログ
何かの検索した本からおすすめされた本。ヌッテを知っていたけどそうやって実際にブランドを運営している人の話を知ることが出来て良かった。楽しそうな方なので会いに販売会行ってみたいし素敵な服ばかりだったのでワンピース買いたいと思いました。
Posted by ブクログ
読みやすく、思いがけず哲学的な部分もある本だった。
頑張らずに続けられて、人が喜んでくれることをする。
また、インターネットをうまくつかって人肌を感じられるようにする。(上手く使ったらなんなら対面より人肌を感じられることもある)
それらはこれから自分で仕事を作る上では大切なことのような気がする。
かつてLEBECCA boutiqueというブランドが好きで、服ごとに物語があるのが素敵!と思っていたが、育児が中心の日々でそこまで服のことを考えられていなかった。
そんな人でもちょっと背伸びした日常くらいで着ることができる服、今とても魅力的だと思った。
madder madderとか、teshioniというプラットフォームの中でも他に好きなブランドがあったのだが、最近離れていたなぁ、、
服ってやっぱり気分を上げる力があると思うし、久しぶりにいい服を探してみたいなと思わされる本だった。
Posted by ブクログ
foufouの服が好きで、本を手に取った。
健康的な消費のために。という理念についてだとか、マールさんの現在に至るまでのこととか、今までも各種SNSで聞いたり感じていたことだけれど、本という形でまとめて情報を得れたのは、マールさんの言う「本は重いSNS」という言葉に繋がってくるのかもしれない。
Posted by ブクログ
純粋にファッションを楽しむ。
縫製は nutte で仲介 原価率50%(一般的には20%)
ネット販売+全国試着会+ライブ配信
セールはしない 翌年以降も追加生産し再販売 数字目標を設定しない
カラーバリエーションはやらない 黒のみが原則
頑張らなくても続けられることしかできない
foufouの語源はfoufouと呼ばれた藤田嗣治
100点は意外と簡単に手に入るが、心を動かすには150点じゃないといけない
イージーな服が増えすぎた
ハプニングや不合理も必要
人の暮らしの延長上にある最適なデザイン
服=ファッション とは言えない時代
ハッピーでヘルシーな関係を続ける。
Posted by ブクログ
foufouというブランドも、マール コウサカという方のことも知らずに読みました。
大量消費されるアパレル、やたらと高いハイブランド…普段、それらに抱く感情や印象を著者自身も感じてることに共感を覚えました。
アパレルの裏側を知ることもできる一冊だし、アパレルだけではなくビジネス書としても良い一冊。
今度、fou fouのインスタ見てみよう⭐︎
Posted by ブクログ
好きなことを一生懸命やる、好きなことを見つけてやり続ける、そういう人は強い。
服と服に関わる人すべてが不幸せであるような現場に対し、みなが幸せであるように考え、行動できているところも素晴らしい。考えることと行動。
序盤で作った服が評価されて買ってもらえた。しかし黒字倒産を地で行くように資金繰りに窮していたところ、救いの手が差し伸べられた辺りは、読んでいてグッと来る。
そんな経験からか、著者は持続可能な仕組みを目指している。
「お客様第一」ではなく、「foufouが目指すのは「ユーザーに向けてヘルシーに作られたすこやかな服を届ける持続可能な仕組み」を作ること」と。
当たり前かもしれないけれど、大切なことがいくつも書かれている。
「数字目標は目的になってはいけない、誰がどう喜ぶかまで設計する」「ファッションの楽しさ」など。
日々の積み重ねしか確かなものはないと、あらためて思う。
Posted by ブクログ
foufouの社長、マールコウサカさんの書籍。まずプロローグを見て驚いた。本を読んでいないのにプロローグを書くように依頼されているという協力会社のステイトオブマインドの社長、伊藤さん。実店舗はなく、SNSや試着会・ライブ配信を通じてECで販売するという形態をとる。この書籍自体も重いSNSと定義しており、お客様とのコミュニケーションの一環の1つである。インターネットで商売するからこそのリアルを追求している。それは服が最終的にリアルのものであるからだという。またこだわらないということに一番こだわっているという。特にセールはしない、カラーバリエーションしない、卸売りをしない、これら意識的にやらないと決めていることこそがブランドを形づくっている。印象に残るフックとユーモア。強い印象ではなく後味の良いコーヒーを飲んだ時のような良い引っ掛かり。書籍に文字として書かれているような良い引っ掛かりのある書籍でした。今後のfoufouの動向に目が離せない。
Posted by ブクログ
消費者としての姿勢、宣言
服だけがファッションだと捉えず
むしろ服を作るからこそ視野は広く
高いも安いも、新しいも古いも
良いも悪いもフラットに見て
自分の心が豊かになるような消費をして
自分の「スタイル」を持って楽しむ。
予期せぬハプニングを享受していく。
その予期せぬハプニングの中で
琴線に触れた体験がある仕掛けこそが
数式では求められない感動に繋がる。
また、一つ一つの暮らしの選択が
foufouの作品や事業に
滲み出ることを忘れずに
思考して「選択」していくり
消費していくことを恐れずに
美しくすこやかに消費したい。
消費者としてやさしくありたい。
これは本書の表紙に書かれていた宣言です。デザイナーとしてあるために、プロダクトを届け、思想を届けるためにまず自らがどんな消費者であるかを考えるというのはとても素敵な姿勢だと思いました。自らが生み出すものと、普段の選択は無関係なようで繋がっている。これはどんな事業、仕事にもいえることだと思います。